2022 Fiscal Year Research-status Report
精巣血管網の血管新生に着目した男性不妊の診断に寄与する検査法開発研究
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22K09443
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
菊地 良介 岐阜大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師長 (30721435)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 定量的プロテオミクス解析 / 男性不妊 / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 男性不妊症と血管新生因子との関連を明らかにし, 男性不妊症の診断に寄与する新規検査法の開発と創薬科学的発展を視野に検証を行うことを目的としている。令和4・5年度は、課題1:男性不妊症患者の血液及び精漿液中血管新生因子濃度と精子所見との関連を評価する。課題2:対象患者血液中のタンパク質のiTRAQラベル化による定量的プロテオミクス解析を行う。の2つの課題について検証を進めることを予定している。採択初年度の令和4年度は、研究計画にあるように男性不妊症患者の血液中タンパク質のiTRAQラベル化による定量的プロテオミクス解析による新規候補因子の同定を行った。これまでに複数サンプル間における網羅的なタンパク質同定と発現相対定量解析が行えるiTRAQラベル化による定量的プロテオミクス解析を行った。その結果,男性不妊症(精子運動率低下群)で増減している43個の候補因子を同定した。さらに、43個の候補因子の中から特徴的な3因子まで絞り込みを行うことができた。特徴的な3因子はこれまでの報告からも血管新生や脂質代謝に関与する可能性があることが知られている。令和5年度はこの特徴的な3因子を対象とし、対象症例の血中濃度が評価できる測定系の探索を行い、候補測定系を購入し今後測定を行っていく予定である。その後、各因子の血中濃度と精子運動率との関連等について評価検証を行なっていく予定である。課題1に関しては令和4年度中に行うことができなかったため、令和5年度早々に検証を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年12月20日時点で36名の患者から研究参加の同意を得ており,18名からの採血を終えている。目標症例数は100名であるが,昨今のコロナ情勢下において積極的な不妊治療が行われていない現状がある。しかし,これまでの研究成果を下に,着実に研究課題を遂行していきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度研究計画にあるように、血管新生因子としてVEGF-AとVEGF-A165b濃度を測定し, 精子所見(精液量・精子濃度・精子運動率)の関連性について検証する。また、令和4年度に絞り込んだ特徴的な3因子に対して対象症例の血中濃度を測定し,前述と同様に 精子所見(精液量・精子濃度・精子運動率)の関連性について検証したいと考えている。
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Causes of Carryover |
令和4年度予算を計画的に施行していたが残金が355円となった。残金355円は令和5度予算を合算して血中濃度測定用ELISA kit購入に使用を予定している。
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