2022 Fiscal Year Annual Research Report
シングルセル解析による腫瘍微小環境を介した前立腺神経内分泌腫瘍発生機序の解明
Project/Area Number |
22K09449
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
渡辺 隆太 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (00813635)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雑賀 隆史 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (10314676)
東山 繁樹 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (60202272)
菊川 忠彦 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (70444734)
三浦 徳宣 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80554427)
沢田 雄一郎 独立行政法人国立病院機構四国がんセンター(臨床研究センター), その他部局等, 医師 (80793554)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 神経内分泌前立腺癌 / シングルセル解析 / IDCP / 空間的遺伝子発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経内分泌前立腺癌はホルモン治療等の過程で発生する高悪性度の前立腺癌であり、ホルモン療法が発達した近年増加している。そのため、遺伝学的発生メカニズムと治療への応用が期待されている。 我々は前立腺癌細胞株LNCaP, C4-2をアンドロゲン除去下で6ヶ月間長期培養することで、アンドロゲン感受性であった前立腺癌細胞株が神経内分泌前立腺癌の蛋白マーカー陽性となり、神経内分泌分化する傾向にあることを突き止めた。しかし、これらの細胞は臨床で見られるような急速な増殖様式を示さず、増殖が止まってしまうためサンプルの作成に難渋している。今後神経内分泌前立腺癌の特徴的な遺伝子のKDを追加し増殖能を加速させることでシングルセル解析へとつなげていく予定である。 また、de novo 神経内分泌前立腺癌とアンドロゲン感受性前立腺癌の合併症例の手術検体を用いて、空間的遺伝子発現解析(Visium)を行うことで、神経内分泌前立腺癌特有の遺伝子異常を同定することに成功した。今後治療誘引型神経内分泌前立腺癌のシングルセル解析のデータとの統合解析により、神経内分泌前立腺癌のドライバー遺伝子の同定を目指す。 さらにはこの空間的遺伝子発現解析を使って、前立腺癌の予後に関連する病理所見として近年注目されてているIntraductal Carcinoma of the Prostate (IDCP)の解析を行い、国内外の学会で発表した。IDCPと神経内分泌前立腺癌の関連性についても今後詳細に検討していきたい。 海外留学先のFred Hutchinson Cancer Centerでは、高度なシングルセル解析技術を用いた前立腺癌の病態解明が進められており、最先端の技術を習得し、日本での研究進展に生かしていく予定である。
|
Research Products
(8 results)