2023 Fiscal Year Research-status Report
Exploring biomarker for kidney cancer drug therapy using patients' derived organoid
Project/Area Number |
22K09467
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
冨田 善彦 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (90237123)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 腎細胞癌 / オルガノイド / 免疫チェックポイント阻害薬 / 分子標的薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに23例の腎癌オルガノイドを作成に成功した。まず、培養初期において21例でオルガノイドの成長を認めた(成功率としては90%以上となる)。このうち、15例で継代培養を試みた。その結果、5回以上の継代培養が可能であった検体は5例であった。このことから、長期継代が可能だったのは全体の21.7%にとどまることになる。このうち、薬剤感受性試験を施行かのうであったものものは4例であった。 実臨床の治療との関係では、まず、術前治療が行われたものは3例であり、それぞれipilimumab + nivolumab併用療法、axitinib、pembrolizumab + axitinib併用療法もよる治療であった。術後に全身薬物療法導入が行われたのは4例で、それぞれインターフェロンα、ipilimumab + nivolumab併用療法、axitinib、pazopanibであった。 オルガノイドに対する薬剤感受性試験を施行した4例のうち、2例は実臨床上の術後再発なく(追加治療なく)経過している。残り2例はそれぞれ、免疫チェックポイント阻害剤併用療法であるipilimumab + nivolumabが投与された症例、axitinib/ nivolumab/ sunitinib/ sorafenibの逐次療法が施行された症例であった。 現在、さらなる症例蓄積のため、現在は10例の腎癌検体を凍結保存しており、2024年度にこれらの凍結保存標本より、オルガノイドを作成する予定である。これら症例の実臨床の経過においては、全10例中7例は再発なく経過し、2例は転移再発に対してipilimumab + nivolumab併用療法による治療が行われ、1例でsorafenib /nivolumab併用療法がおこなわれた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オルガノイド作成症例数を重ねてきており、臨床経過のデータについてもほぼ順調に集積している。ただ、腎癌検体が採取可能であった症例の中で、実際に治療薬が投与されたなかった症例症例も少なくなく、さらに症例数の蓄積が必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
凍結検体からのオルガノイド作成が、細胞増殖効率や継代へ与える影響も鑑みると同時に、臨床での治療反応とオルガノイドの薬剤感受性の関連を引き続き調査していく。長期継代を改善する因子を検討し、安定した継代が可能となるように今後の課題とする。
|
Causes of Carryover |
前年度使用予定であった試薬の一部が購入が遅滞したため、その分が次年度使用額が生じた。今年度予定通りに購入要諦樽。
|