2023 Fiscal Year Research-status Report
薬剤耐性腫瘍に対する標的分子抑制ベクターによる遺伝子治療の開発
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22K09504
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
張 霞 香川大学, 医学部, 助教 (30524061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉元 幹史 香川大学, 医学部, 教授 (10243768)
田岡 利宜也 香川大学, 医学部, 助教 (10403784)
劉 大革 香川大学, 医学部, 助教 (30314941)
土肥 洋一郎 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (60867290)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | AAV-RRM1ベクター |
Outline of Annual Research Achievements |
リボヌクレオチドレダクターゼM1(RRM1)は、デオキシリボヌクレオチドの合成に関与する主な酵素である。RRM1はRasシカナールに介し、細胞の増殖に関わることが分かってきた。これまでに我々はRRM1を標的とするAd-shRRM1を作製し、RRM1の治療標的としての有用性を報告した。しかし近年、Ad-shRRM1よりも安全で、かつ高い有効性を示すAdeno associated virus(AVV)ベクターが開発され、数多くの臨床試験が開始されている。今度我々は泌尿器癌を対象とし、AAV-RRM1ベクターを用いて遺伝子治療で新規治療戦略の構築を目指している。 現在までの進捗状況 我々は、抗腫瘍性を証明したAd-shRRM1ベクターに基づいて,アデノ随伴ウイルスベクター(AAVベクター)を作製したが、AVV-ベクターに遺伝子導入効果が低いため、in vitro実験への応用には困難があった。この問題は解決ために、AAVを搭載したHEK 293T細胞からAAV含有エクソソーム(AAVExo)は効率的な報告があった。エクソソームは、ほぼすべての既知の細胞タイプから分泌されるナノサイズの細胞外小胞です。エクソソームは膜に包まれた構造をしており、様々な機能性分子を効率的に細胞内へ運ぶことができるため、優れたベクターやドラッグデリバリーと考えられている。我々はZsGreenを持つスモールヘアピンRNAをクローニングし、AAVpro Helper Free System(タカラ)を用いてHEK293細胞にトランスフェクションした。AAV2、AAV5はメーカーに準じて製造し、ExoAAVは超遠心分離により培地から分離し,通常AAVと同じくらいの回収量に成功した.さらに,エキソソーム含有AAV は、in vitro での従来の AAV ベクターとより遺伝子導入効率を大幅に改善したことを証明し,この成果は第82回日本癌学会学術総会に報告した(パシフィコ横浜, 2023年9月)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AVV-ベクターに遺伝子導入効果が低いことを解決した.
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Strategy for Future Research Activity |
実験計画通り,エキソソーム含有AAV-RRM1ベクターを用いて遺伝子治療で新規治療戦略の構築していく。
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Causes of Carryover |
前年度の予算ではカバーしきれなかった部分があったため、次年度に追加の使用額が必要となりました。
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