2023 Fiscal Year Research-status Report
病変に着目した原発性アルドステロン症進展メカニズムの解明
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22K09509
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
西本 紘嗣郎 宮崎大学, 医学部, 助教 (00365363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝沢 穂高 筑波大学, システム情報系, 教授 (40303705)
馬越 洋宜 九州大学, 大学病院, 特別教員 (40741278)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | アルドステロン |
Outline of Annual Research Achievements |
原発性アルドステロン症 (PA) は、アルドステロン産生腺腫 (APA)、特発性アルドステロン症 (IHA)、あるいは稀な若年性・難治性PAに分類される。研究者はアルドステロン産生細胞クラスター (APCC、0.2-1mm大) が正常副腎に多発することを初めて報告し、APCCがAPAの発生母地、あるいは、IHAの病変となりうることを示してきた。その一つの根拠としてAPCCがAPAと同様の遺伝子体細胞変異を有することは重要である。本研究では3つの目的を設定した。目的 1では、APCCを含む小病変に着目してAPAと非機能腺腫とをCTと臨床データから鑑別する新しい方法の完成を目指す。この研究に関しては予定通りの研究を遂行して近日論文を作成できる見込みである。目的 2では、APCCに着目したPA病変進展の分子基盤 (球状層→APCC→移行病変→APA) の推定を行う。この研究に関しては、最近、正常 副腎を用いたシングルセルトランスクリプトーム解析、とくに、in silico系譜解析により球状層からAPCCに進展することが推定できた。現在は、APCCからAPAへの進展に関して解析を進めている。目的 3では、若年性・難治性PAの実態調査や遺伝子パネルによる診断法の確立を目指すとともに、目的 2に有用な症例の探索を行う。この研究に関しては、実態調査は終了し、それで若年性・難治性PAと推定できた患者に対して、遺伝子パネルによる診断法が有用か否かを検討しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究を進めるうえで埼玉医科大学国際医療センターの倫理委員会の修正申請を行ったが、その承認に半年以上の時間を要した。そのため、進捗が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画した研究を予定通り遂行する。
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Causes of Carryover |
現在、APCCの空間的遺伝子発現解析を行う準備を行っている。これには「Visium」という解析手法を用いるが、一回の解析が高額であるために、そのための多くの予備実験を要する。現在この予備実験を行っているが、次年度以降その解析を行う予定であり、その際には次年度使用額を充てる。
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