2023 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム解析に基づいた膀胱癌の薬物治療に対する効果予測システムの確立
Project/Area Number |
22K09515
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
全並 賢二 藤田医科大学, 医学部, 講師 (60440731)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 膀胱癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
初発膀胱癌106例に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)検体を用いて In-houseで包括的がんゲノム検査(164遺伝子の変異検索とコピーナンバーヴァリアント、およびtumor mutational burdenとマイクロサテライト不安定性の定量とHDR遺伝子変異のスコアリングが可能)を行った。 遺伝子変異頻度はFGFR3遺伝子の変異が最も多く, PIK3CA,KDM6A,TP53,CREBBP,BAP1,ERBB2,ARID1Aの順に変異が指摘され、この結果は諸家の報告と類似していた。 また、病理組織学的所見の解析において、non-invasive UC(pTa)の群ではinvasive UC (pT1以上)群と比較して有意にFGFR3変異 (58% vs 25%, p=0.025)とPIK3CA (44% vs 17%, P=0.04)の変異が多いことが確認された。さらに、FGFR3変異はhigh grade群 (76.9%) に比べlowgrade群 (32.5%) で有意に頻度が高いことが確認された (p=0.009)。 現在非浸潤癌における遺伝子変異の傾向が明らかになってきているが、今後は筋層浸潤癌での評価を行うため、症例をさらに蓄積しているとともに、BCG膀胱内注入療法や膀胱全摘除術の術前補助化学療法などの治療に対する反応性、予後について追跡しており、遺伝子変異やコピーナンバーバリアントと治療感受性の関連について検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
包括的がんゲノム検査はin-houseで施行出来ており、順調に進んでいる。システムの変更があり、院内がんゲノム検査にも一定の費用が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は初発膀胱癌のゲノム解析をさらに蓄積し、遺伝子変異やコピーナンバーバリアントの傾向について検討する。バイオインフォマティシャンと共同で研究を進める予定である。 また、BCG膀胱内注入療法や膀胱全摘除術の術前補助化学療法などの治療に対する反応性、予後について追跡し、遺伝子変異やコピーナンバーバリアントの傾向と治療感受性の関連について検討を行う。
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Causes of Carryover |
院内がんゲノム検査を行う際の費用について、院内の研究費を優先的に使用可能な状況であり、今年度の研究費の使用が抑えられた。来年度からは科研費を優先的に使用する予定である。
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