2022 Fiscal Year Research-status Report
Oncolytic virus の多元的制癌性の解明と革新的癌治療への展開
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22K09526
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
植木 英雄 岡山大学, 医学部, 技術専門職員 (90537218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 豊彦 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 教授 (30432644)
荒木 元朗 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90467746)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、強力なOncolytic(腫瘍溶解性)システムを組み込んだ癌抑制遺伝子発現アデノウイルスベクター治療剤を用いた新規遺伝子治療法の確立を目指すものである。癌抑制遺伝子による抗腫瘍効果と、腫瘍溶解性を高めるためにさまざまな独自の改良を加えた多元的制癌性を持つこの新規治療剤を使った治療法の有効性を尿路癌で検証し、癌細胞特異的な抗腫瘍効果のメカニズムを解明することで、自己癌ワクチン化を実証する。治療剤の最適な局所注入技術についても併せて検討することで、今までの遺伝子治療を凌駕する次世代遺伝子治療の創製基盤を確立する。 まず、抗腫瘍効果のメカニズムを解明することを目的にin vitroでの解析を行うこととした。尿路癌を含む様々な癌細胞を用いて、小胞体ストレスやアポトーシス関連マーカーの発現量を、関連アデノウイルスベクター治療剤間で比較を行ったウェスタンブロット解析の結果を検証した。小胞体ストレスによりアポトーシスを誘導する抗生物質を投与した細胞群との発現シグナルの違いから、当該薬剤のストレスセンサー経路に関する知見が得られた。これは抗腫瘍効果のメカニズムを解明するための重要な成果である。 また、平行して薬剤の最適な投与法についても検討した。独自に開発したIn situ浸透システムを用いてイヌの膀胱への直接投与を行い、薬剤浸透度を検証している。これについては次年度以降も引き続き進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に従って、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
尿路癌ごとのテロメラーゼ活性の強さと当該治療薬剤の癌細胞特異的な抗腫瘍効果との関連を調査し、引き続きそのメカニズムについて、従来型の治療剤とのシグナル経路の違いを中心に調査する。
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Causes of Carryover |
研究計画で予定していたマイクロアレイ解析等の受託解析が、今年度には行えなかったため。次年度以降、検体が揃い次第、外部業者に委託する。
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