2022 Fiscal Year Research-status Report
The investigation of non invasively ovarian tissue transplantation into endometrium
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22K09560
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
高江 正道 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (00621301)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 卵巣組織移植 / 卵巣組織凍結 / 妊孕性温存 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、マウスならびにラットなどのげっ歯類を用い、繰り返し子宮内膜への卵巣組織移植を行った。その目的としては、「安定した成功率(生着率)を導くことのできる実験系の確立」である。具体的な実施方法については研究内容に直接的に関係するため公表を差し控えるが、研究者らの工夫によって、移植生着率が80%を超える実験系の確立に成功した(組織学的に確認)。これには、実際の卵巣組織移植を施行する場合の卵巣組織のトリミング方法、移植デバイス、ドナーの週齢なども含まれる。また、研究者らは、その実験系を用いて「安定した体外受精成績(採卵率・成熟卵率・受精率)をだすことのできる実験系の確立」に取り掛かっている。既に複数回の調節卵巣刺激を伴う卵巣組織移植を実施しており、卵子採取に成功している。本研究の目的は、新規の卵巣組織移植法とその発展形の確立であることから、もちろん旧来のスタンダードの卵巣組織移植法との対比も重要となってくる。そのため、研究者らが発案した卵巣組織移植方法の改善はもちろんのこと、スタンダードな方法における基礎的な成績についてもデータを蓄積する必要性がある。また、現在施行している方法は、子宮内膜への移植ではあるものの、臨床で目標としている「非侵襲的な方法」とは乖離がある。最終目標である「非侵襲的な方法」に以下に近づけてゆくか?ということも同時に検証する必要性があり、そのためには卵巣組織移植に用いる特殊なデバイスの検討も並行して進める必要性があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、体外受精までを含めた実験系の確立を目指していたが、そこまでに至らなかった。 理由としては、卵巣組織の移植に適したドナー週齢の選定に時間がかかったことが挙げられる。 卵巣組織の生着率、実験系として必要なステージの卵胞、体外受精成績のすべてを満たす最適な週齢の探索に時間がかかっている。本年度の研究成果から、それらがおおよそ定まりつつあるため、次年度はそれらを用いて研究を進めたいと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
安定した卵子採取ができることを確認した後、様々な移植条件を検討し、最適な移植条件を探索する。これまでの卵巣移植実験において、既にある程度最適条件のあたりが付いているが、その結果を生化学的、組織学的、分子生物学的に証明することを検討している。また、そのような結果が得られる要因についても検討してゆく。
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Causes of Carryover |
本年は、おおむね安定した移植方法の確立に時間が割かれ、むしろ評価にかかる実験が少なく、次年度使用額が増加したものと考える。次年度は、組織学的評価のみならず、生化学的ならびに分子生物学的評価を行うため、本年と同等以上の予算が必要と考える。
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