2023 Fiscal Year Research-status Report
分娩時胎児酸素化能改善を目的とした母体へのタダラフィル投与の安全性についての検証
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22K09569
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田中 博明 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (30727996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真川 祥一 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (40812300)
田中 佳世 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60812310)
真木 晋太郎 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (90794371)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 胎盤機能不全 / PDE5阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
タダラフィルを用いて分娩中の繰り返す陣痛による低酸素ストレスから胎児を保護し、胎児低酸素性虚血性脳症を予防する試験を開始した。本研究は、分娩中にタダラフィルを投与することに対しての安全性を検証することである。本研究は、3例コホート法を用いた。3例については、まず10mg/回の投与を開始し、重大な有害事象の発生を監視した。3例中1例以上に重大な有害事象が認められた場合、安全性評価委員会によりタダラフィルとの関連性が検討されることになる。新たに1例以上同じ有害事象が認められた場合、試験は完全に中止される。有害事象がなければ、20mg/回で3例まで延長し、10mg/回投与と同様にプロトコールを継続する。また、タダラフィル投与中のタダラフィルの血中濃度についてモニタリングした。全体で7例が登録され、6例でタダラフィルが投与された。母体の有害事象は、すべての用量でグレード1の有害事象が1つ以上記録されたが、母体から見て許容範囲と考えられた。新生児有害事象は、タダラフィルに関連した重大な有害事象は認められなかった。タダラフィル血中濃度は、10mg/回、20mg/回ともに安定した血中濃度を維持していた。本研究では、分娩中のタダラフィル投与についての母体、新生児への安全性が確認された。また、タダラフィル血中濃度を測定し、投与方法に問題がないことを確認した。今後は、更なるタダラフィルの最適な用量、安全性を検証するための第Ⅱ相試験へ進める必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2021年8月に臨床第Ⅰ相試験を開始し、2022年9月に設定された症例数の登録を終え、同試験を終了した。試験終了後の試験結果の解析も終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
次のステップである第Ⅱ相試験について立案する。加えて、血管新生因子の測定、胎盤の解析を進め、タダラフィルの作用機序についての検討を進める。
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Causes of Carryover |
論文校正など論文投稿に関わる費用が予定より少なかったため。統計解析や第Ⅱ相試験の立案に用いる消耗品の購入に使用する予定である。
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