2022 Fiscal Year Research-status Report
妊娠高血圧腎症の母児合併症を改善する抗炎症治療の開発
Project/Area Number |
22K09577
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
成瀬 勝彦 獨協医科大学, 医学部, 教授 (70453165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 龍太 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20866008)
市川 麻祐子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30833678)
竹田 善紀 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (50825239)
赤坂 珠理晃 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90526724)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠高血圧腎症(Preeclampsia、PE)は妊娠初期の胎盤着床不全を主な原因とする。児には胎児発育不全(FGR)や常位胎盤早期剥離から胎児死亡や脳性麻痺発症の主な原因となり、母体に対しては脳卒中や子癇発作による死亡や障害、生涯にわたる腎不全や高血圧・心血管障害(CVD)をもたらす。発症予知・予防に関する研究が進められているが、一旦発症してしまうと児の生命を賭けた人工早産以外に治療法がなく、苦慮する。申請者はこれまで不全絨毛細胞や被刺激脂肪組織が発現する劇的な炎症惹起因子Danger SignalがPE病態に強く関連することを、これまでの多くの症例を用いた検討から明らかにしてきた。本研究ではその抑制療法を治療のターゲットに置く。PEにおいて炎症を抑制できるかどうかが現在のところ妊娠期間を延長させ、児の予後と母体のダメージを同時に改善できる唯一の鍵と考えられるからである。基礎的研究や患者由来検体を用いてPEにおけるDanger Signal抑制療法を開発し、新たな臨床応用を行うことを目指している。 2022年度は後述する理由により基礎的研究については停滞していたが、Danger Signalと低酸素環境に関する新たな知見を発表することができた(Shigemitsu A, Naruse K, Kobayashi H. Hypoxia Promotes Extravillous Trophoblast Cell Invasion through the Hypoxia-Inducible Factor Urokinase-Type Plasminogen Activator Receptor Pathway. Gynecol Obstet Invest. 2022;87(3-4):232-241.)。引き続き研究の進展に向けて準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
代表者は申請後に遠方の現所属機関へ異動となり、コロナ禍での人材交流制限と診療体制、異動先の人員不足から臨床業務と教育にほぼ全ての時間を費やす一年であった。研究分担者にあっては細々と研究を続けており、成果も得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
異動先での中央研究設備を使用できるメドが立った他、研究をサポートする新たな医局員を獲得したため、今後は基礎研究が再開される見込みとなっている。また必要な部分については外注することも予定されている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍と代表者の異動のため予定通りの研究が遂行できなかった。次年度に予定されていた内容を遂行するため、これらの資金は適切に使用される予定である。
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Research Products
(1 results)