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2023 Fiscal Year Research-status Report

glucocorticoidの羊膜脆弱化の作用機序解明と副作用軽減に向けた検討

Research Project

Project/Area Number 22K09587
Research InstitutionNational Center for Child Health and Development

Principal Investigator

岡崎 有香  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 周産期・母性診療センター, 医師 (70816967)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords前期破水 / グルココルチコイド / 羊膜 / ITGA8 / コラーゲン分解
Outline of Annual Research Achievements

これまでの検討で、全身性エリテマトーデス(SLE)合併妊娠(妊娠中全員グルココルチコイド(GC)使用)羊膜では、合併症なし妊娠羊膜と比較して、cell-adhesion関連遺伝子発現が 有意に変動することが示された。中でもITGA8はコントロールに比しSLE合併妊娠羊膜で、またGCを添加した羊膜間葉系細胞で有意に増加した。以上からITGA8が 羊膜でのGC反応系でのキー因子となると考え注目し更なる検討を進めている。
今までの検討で示されたことは以下である。
1.GCおよびGC受容体(GR)阻害剤である Mifepristoneを羊膜間葉系細胞培養中に添加しRT-qPCR で評価した。ITGA8の発現は、 GC添加48時間でコントロールに比 較して有意に増加し、その効果はMifepristoneによって有意に抑制された。
2.羊膜間葉系細胞でGR siRNAを用いてGRをノックダウンすると、コントロールsiRNAを導入したコントロールと比較して、GRおよびITGA8の発現が有意に低下し た。
3.羊膜での ITGA8 の機能を解明するために、HeLa 細胞および羊膜間葉系細胞でITGA8を過剰発現させた。ITGA8を過剰発現させると両細胞で、MMP-1が増加し、 コラーゲンI型α1、α2、III型(COL1A1、COL1A2、COL3A1)レベルが低下した。 以上から羊膜間葉系細胞でITGA8はGRにより誘導されていることが示唆された。またITGA8 がコラーゲン産生低下およびコラーゲン分解に寄与することが示唆さ れた。コラーゲンは細胞外マトリックスの重要な構成要素であり、創傷治癒促進及び組織再生に関与することが知られている。GC処理した羊膜間葉系細胞とSLE 合併妊娠羊膜でITGA8の発現が増加したことから、羊膜でのコラーゲン産生低下および分解、線維性リモデリングが起きていることが示唆され、GCが前期破水の リスク因子となることを説明する糸口となる可能性がある。
これらの知見から、SLE合併妊娠の羊膜を用いた更なる検討を行うため本年度は主に検体を収集することに費やした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当院は母性内科を有し、特にSLE合併症妊娠が集約する施設であるがSLE合併妊娠自体がそれほど数が多くないため検体収集に難渋している。

Strategy for Future Research Activity

申請者らのこれまでの検討で、グルココルチコイド(GC)が羊膜においてmicro rupture修復を阻害する可能性が示唆され た。micro ruptureおよびGCの羊膜に対 する作用メカニズムを確認するため、羊膜細胞へのGC添加の有無でオープンクロマチン領域がどう変化するのかAssay for Transposase- Accessible Chromatin with high-throughput sequencing (ATAC-seq)で確認する。繊維化マーカーであるITGA8がどう変化するのかキー因子として探索するとと もに、その他の因子の 関わりを網羅的に検索する。さらに、GCのより直接的な標的分子および作用機序を確認するため、羊膜間葉系細胞を用いてeRNA合成 が行われている活動性エンハンサーを網羅的に解析することを予定している。
また、これまでは羊膜の強度を保つために重要な羊膜間葉系細胞で検討を進めていたが、ITGA8を介したコラーゲン分解など間葉系細胞で見られたようなことが羊膜上皮でもいえるのかどうかを今後検討したいと考えている。

Causes of Carryover

解析及び検体収集に時間を費やしたため物品費用が生じなかった。今後はATAC-secなどの実験を行う予定であり、おもに物品費代として助成金を使わせていただく予定である。

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Published: 2024-12-25  

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