2022 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive Search for Early Diagnostic Markers and Therapeutic Targets for Cervical Cancer Using Circular RNA in Blood
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22K09634
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金野 陽輔 北海道大学, 大学病院, 助教 (10572703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
董 培新 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (50602504)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 頸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
早期頸癌に特異的に発現する環状RNA候補の探索を行った。研究計画に基づき、早期頸癌患者、CIN患者、また検診を受けた健常婦人を対象として、健常者、CINまた早期頸癌患者の血液検体から、高品質のRNAを抽出した。そして、RNase R処理により線状RNAを分解することで、環状RNAを回収した。環状RNAを使い、環状RNAに特化したmicroarray解析を実施したことで、健常者に比較して、CINまた早期頸癌患者で特異的に高発現、また低発現する新規環状RNA候補群を同定した。上位新規環状RNA候補(hsa-circ_0003572、hsa-circ_00018289など)の発現は、健常者に比較して、CINまた早期頸癌患者で特異的に過剰発現することを解明した。CircFunBaseなどのdatabaseを活用して、正常組織に比べ、頸癌組織でhsa-circ_0003572及びhsa-circ_00018289などの環状RNAの発現の有意な上昇が確認された。更にqPCR解析により、環状RNAの発現を分析した上で、頸癌の早期診断を可能とする新しい診断マーカーとしてのhsa-circ_0003572及びhsa-circ_00018289有用性を確認した。続いて、正常細胞株と頸癌細胞株(Hela、SiHa及びCaSki)からtotal RNAを採集し、qPCR解析を行い、hsa-circ_0003572及びhsa-circ_00018289などの環状RNAの発現を解析した結果、正常細胞株に比較して、頸癌細胞株(Hela、SiHa及びCaSki)におけるhsa-circ_0003572及びhsa-circ_00018289の発現は、有意に上昇したことを突き止めた。特に悪性度の低い頸癌細胞株CaSki に比べ、悪性度の高い頸癌細胞株Hela及びSiHaでは、hsa-circ_0003572及びhsa-circ_00018289の発現は、著しく増加したことを発見した。以上の研究によって、頸癌の早期診断につながる新規環状RNAが存在することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づき、高品質のRNAを抽出し、環状RNAの解析に特化したmicroarrayとqPCR解析を行い、CIN及び頸癌に特異的に高発現する環状RNAを同定した。更にhsa-circ_0003572及びhsa-circ_00018289は、早期診断に活用できる新規腫瘍マーカーとしての有効性を確認した。これは研究計画通りの成果であり、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
頸癌細胞およびマウスモデルを用い、環状RNAをCRISPR-Cas13システムまた過剰発現により発現変動させ、頸癌細胞の悪性形質に与える影響を明確にする。Back splicing junctionを挟むように環状RNA特異的プライマーを設計し、環状RNAの頸癌細胞での発現の変動をqPCR法で確認する。また、頸癌細胞にCRISPR-Cas13システム、また発現ベクターを導入し、環状RNAの発現抑制や強制発現を行い、癌細胞機能(増殖、浸潤、転移能など)の変化を細胞アッセイにより評価する。更に、頸癌細胞株を皮下移植したモデルにおいて、環状RNAの機能を確認する。環状RNA候補であるhsa-circ_0003572及びhsa-circ_00018289は、頸癌細胞悪性形質の促進に関与すると予想して、その機能と分子機構を多角的に検討する。
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