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2022 Fiscal Year Research-status Report

網羅的解析を通じた卵巣癌特異的な環状RNAの同定とその役割の解明

Research Project

Project/Area Number 22K09641
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

澤田 健二郎  大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00452392)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小玉 美智子  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70791391)
木瀬 康人  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90778531)
中村 幸司  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00900151)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords卵巣がん / 環状RNA / 高異型度漿液性腺癌 / 子宮内膜症関連癌 / バイオマーカー
Outline of Annual Research Achievements

卵巣がんは現代でも少なくとも3分の1の患者が死亡する“致死的な”疾患である。卵巣がんの予後を根本的に改善させる方策の一つとして、早期発見につながる新規バイオマーカーの開発と新しい腹膜播種治療法の確立が挙げられる。そこで、予後不良な卵巣がんの腹膜播種制圧を目指し、血漿中に僅かであるが安定して存在する環状RNAに着目した。
令和4年度は、卵巣明細胞腺癌(以下OCCCとする)に焦点を当てた解析を行った。OCCCの2症例について環状RNAのマイクロアレイを行い、OCCC特異的に発現が上昇する環状RNA (circSOD2) を同定した。circSOD2がOCCCの細胞株で高発現であることをRT-qPCRで確認した。また明細胞癌組織においてもRT-qPCRを行い、circSOD2は正常卵巣や良性子宮内膜症に比べてOCCCで高発現だった。更にKaplan-Meier法でcircSOD2の発現量と患者の予後を分析すると、高発現群で全生存期間が短かった。circSOD2がOCCCの予後不良に関与する可能性が示唆された。
高異型度漿液性卵巣癌における環状RNAの発現とその働きを解明するため、高異型度漿液性卵巣癌2症例においても環状RNAマイクロアレイを実施した、両症例で対側の正常卵巣と比して高発現であったのはcirc ESRP1およびcirc ZNF778であった。この2種類のうちcircESRP1の方がより高発現(Fold change:18.9)であったためcircESRP1について機能解析を実施した。circESRP1の機能を調べるためsiRNAでcirc ESRP1をknock downさせた卵巣がん細胞株OVCAR-3およびCaov-3の細胞増殖能を検討したところ、それぞれknock down細胞株で有意な低下を認めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

卵巣癌明細胞癌2症例、高異型度漿液性腺癌2症例で環状RNAのマイクロアレイを行い、それぞれの組織型に特異的に発現が上昇する環状RNA、circSOD2とcirc ESRP1を同定することができた。また明細胞癌に関しては29症例でのcircSOD2の発現を検討し、臨床検体におけるバイオマーカーの可能性を提示した。さらにそれぞれの細胞株を用いた機能解析を行い、それぞれのがん浸潤や増殖能に関わる役割を同定することができた。おおむね計画どおりに研究が遂行しているものと考える。

Strategy for Future Research Activity

令和5年度はこれまでの研究で同定した環状RNAの抑制の腹膜播種治療の可能性をsiRNAを用いて検討する。我々は先行研究で卵巣癌手術の際に摘出する大網より線維芽細胞を初代培養し、それより抽出したエクソソームに封入した siRNA が体内においても患者の免疫細胞からの捕捉やヌクレアーゼにより分解されずに安定して存在し、またモデルマウスに腹腔内投与をすると専ら腫瘍特異的にエクソソームが取り込まれることを報告し、新たな核酸治療のがん組織へのデリバリー方法を確立した。今回の実験ではその大網由来のエクソソームを用いることで臨床応用を目指したIn vivo実験を行う。
さらに、今回の研究では従来のヒト卵巣癌細胞株の免疫不全マウスへの腹腔内移植によるCell line-derived xenograftではなく、免疫不全マウスに患者由来の腫瘍組織の一部を移植することにより腫瘍のHeterogenicityを忠実に再現するPatient-derived xenograft (PDX) modelを用いる。卵巣癌組織片を小切開し、マウスovarian bursaに移植する同所移植PDXマウスモデルの作成はすでに開始しており、こまでに3例ですでに作成に成功している。同所移植PDXモデルはヒトの癌そのものの組織型・ゲノム異常・タンパク発現などを忠実に保ち、マウスモデルにおける抗腫瘍効果は、ヒトへの臨床効果と強く相関する。作成したPDXマウスモデルに対して、先行論文に準じて、0.20μgのsiRNA-engineered exosomesを48時間ごとに3週間、腹腔内投与し、その治療効果をマウスの腹水量、腫瘍重量、播種の個数で検討する。コントロールとして、PBS、エクソソーム単独、Scrambled siRNAを封入したエクソソームを用いる。

Causes of Carryover

購入予定試薬の納入日の変更があったため。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Identification of circular RNAs which are elevated in ovarian cancer and elucidation of their roles2022

    • Author(s)
      Yukako Oi, Kenjiro Sawada, Misa Yamamoto, Koji Nakamura, Yasuto Kinose, Michiko Kodama, Kae Hashimoto, Tadashi Kimura
    • Organizer
      第74回日本産科婦人科学会学術講演会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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