2022 Fiscal Year Research-status Report
甲状腺がんにおける予後予測マーカーと新規治療開発のためのGPNMBの検討
Project/Area Number |
22K09660
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鈴木 仁美 秋田大学, 医学部附属病院, 医員 (40896073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嵜 洋平 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (00644072)
山田 武千代 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (70283182)
大森 泰文 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (90323138)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 甲状腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
GPNMBは細胞分化や再生に関与する膜タンパクであるが、近年固形癌においてGPNMB発現している細胞が、癌幹細胞とEMTを誘導する性質を有することが報告されている。甲状腺癌についてGPNMBの機能はまだ明らかではない。甲状腺癌のうち予後不良例や、悪性度の高い未分化癌への新たな治療の開発につなげるため、甲状腺癌におけるGPNMBの機能解明を目的とする。 当施設で摘出された甲状腺癌(乳頭癌)の手術標本86例について、免疫染色を行いGPNMBの発現強度を評価し、高発現群(31例)と低発現群(55例)にわけた。両軍の予後を比較した所、高発現群が有意に予後が悪かった。予後因子について多変量解析を用いて検討し、StageとGPNMB発現が有意な予後因子だった。甲状腺癌細胞株(乳頭癌)をフローサイトメトリーを用いてGPNMB陽性細胞と陰性細胞に分離し、Colony形成能、遊走能、浸潤能について評価し、GPNMB陽性細胞がいずれも亢進していた。現在SCIDマウスへの同所移植による造腫瘍能・転移能について、評価を行っている。今後は、GPNMBノックダウン細胞の作製、抗GPNMB抗体の効果について検討を重ねる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
免疫染色でGPNMBの発現は予後に関与することが確認でき、フローサイトメトリーでGPNMB発現細胞が癌幹細胞様性質をもつことが示唆された。一方、SCIDマウスへの同所移植について想定より時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
甲状腺細胞株からGPNMB陽性細胞とGPNMB陰性細胞に分離しEMTマーカーの発現の有無について評価を行い、比較検討する。臨床検体においても同様にGPNMB発現とEMTマーカーの発現について関連を検討する。抗GPNMB抗体を細胞株やマウスに投与し造腫瘍能や浸潤能・遊走能を抑制するか検討を行う。現在まで乳頭癌において実験をすすめているが、悪性度の高い未分化癌におけるGPNMBの機能についても検討をすすめたい。
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Causes of Carryover |
想定よりも使用する抗体量が少なかったこと、SCIDマウスに移植する過程で時間を要し、研究がやや遅延していることがあげられる。引き続き当初の経過通り遂行し、甲状腺癌患者の血清を使用し血清GPNMBをELISAで測定することを計画している。
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Research Products
(7 results)