2023 Fiscal Year Research-status Report
甲状腺がんにおける予後予測マーカーと新規治療開発のためのGPNMBの検討
Project/Area Number |
22K09660
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鈴木 仁美 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (40896073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嵜 洋平 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (00644072)
山田 武千代 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (70283182)
大森 泰文 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (90323138)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 甲状腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
GPNMBは癌幹細胞や上皮間葉転換との関連が指摘され、癌治療において大きな注目を集めているが、甲状腺癌におけるGPNMBの機能は不明である。本研究では、臨床検体を免疫染色し、in vitroにおけるGPNMB陽性細胞の特徴と予後との関連を明らかにすることを目的とした。in vitroで甲状腺癌細胞株におけるGPNMB陽性細胞のコロニー形成能、浸潤能、遊走能を調べた。また、全生存期間と無増悪生存期間を評価するため、当院で治療・経過観察中の患者86人の甲状腺乳頭癌をGPNMBで免疫染色した。甲状腺がん細胞株におけるGPNMB陽性細胞の割合は、フローサイトメトリーの結果より甲状腺乳頭癌、甲状腺未分化癌でいずれも約15%であった。甲状腺乳頭癌、未分化癌細胞株からそれぞれGPNMB陽性細胞と陰性細胞をFACSで分離し、コロニー形成能、浸潤能、遊走能を比較するとGPNMB陽性細胞でいずれも亢進していた。ヌードマウスに皮下移植したところ、GPNMB陽性細胞で腫瘍形成を認めた。臨床検体において乳頭癌においてGPNMB陽性群が予後不良だった。以上より、GPNMB陽性細胞がCSCの特徴をもち、EMTを誘導することが示唆された。抗GPNMB抗体における効果については現在検討中である。Ki67などの腫瘍増殖能マーカー、EMTマーカーも免疫染色を追加する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitro, in vivoでGPNMB陽性細胞がCSCの性質を持つことが示されたが、フローサイトメトリーやオールインワン顕微鏡などの研究機器の修理が数か月に及び、進捗状況がやや遅れたと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
GPNMBを標的とする完全ヒトモノクローナル抗体-薬物複合体glembatumumab vedotin(CDX-011)を使用して、GPNMB陽性細胞の腫瘍能、浸潤能、遊走能の評価を行う。Ki67などの腫瘍増殖能マーカーなども免疫染色を追加して行う。
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Causes of Carryover |
複数の細胞株での評価を必要としたため新たに細胞株を購入する必要があった。追加で腫瘍形成能について、免疫染色を行う方針とし、使用する抗体の必要量が想定より多くなった。
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