2022 Fiscal Year Research-status Report
PDXモデルを用いた腺様嚢胞癌の起源・分化・高悪性化メカニズムの解明
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22K09662
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 謙也 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80648311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 泰昌 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (00296708)
河津 正人 千葉県がんセンター(研究所), がん治療開発グループ 細胞治療開発研究部, 部長 (20401078)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 腺様嚢胞癌 / 上皮 / 筋上皮 / シングルセル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
樹立したACC PDX腫瘍をFACSを用い、上皮成分、筋上皮成分に分離、それぞれのモデルを作成し腫瘍の増殖の変化をin vivo解析した。上皮モデルのPDX腫瘍は、筋上皮モデルのPDX腫瘍と比較して、病理学的に豊かな管腔構造を持ち、腫瘍の成長が速く、肺転移が多いことが示された。臨床コホートにおいても、ACCの二相構造を失った症例(c-kit +, p63 -)は、二相構造を保持し症例(c-kit +, p63 +)と比較して、全生存期間、局所制御、無遠隔生存期間が有意に不良だった。ACCにおける二相構造の消失は予後不良因子であり、上皮成分は攻撃的な挙動を示すことが、in vivo解析、臨床コホート解析双方で示された。 In vivo解析および臨床コホート解析に並行して、ゲノム解析も施行した。腺様嚢胞癌で外科治療がなされた21症例44サンプルのDNAを抽出し、ライブラリー調整を施行、NGSによるWESを施行した。FFPEサンプルからのDNA抽出であり、質の高い、検体を得るのに難渋した。得られたデータは現在解析中である。またPDX腫瘍、正常耳下腺、患者由来ACC腫瘍を10x Genomics社のシングルセル遺伝子発現キット、シングルセル細胞表面タンパク質プロファイリングキットを使用して、cDNAに変換したライブラリーを調整。シングルセル解析を行った。正常唾液腺においては、完全に分散されたシングルセル懸濁液を作成するのに難渋した。現在得られたデータは解析中である。得られたデータの一部は本年度の日本癌学会で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
樹立したPDXモデルを用いた実験系であり、概ね計画通りに進行した。正常唾液腺組織は、完全に分散されたシングルセル懸濁液を作成するのに難渋した。また臨床検体のWESに関しては、FFPEからの解析であり、質の高いDNAを抽出するのに難渋した。基本的には計画通りに研究を遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、計画通りに実験は遂行できている。今年度は、得られたデータのバイオインフォマテクス解析、病理学的解析を中心に実験を遂行する予定である。
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Causes of Carryover |
繰り越した助成金は、昨年度施行できなかったゲノム解析に関わる費用に使用する予定である。
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