2022 Fiscal Year Research-status Report
Intranasolacrimal immunization for induction of secretory IgA responses in the respiratory tract.
Project/Area Number |
22K09669
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
永野 広海 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (60613148)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 勝 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10635519)
宮下 圭一 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (30585063)
川畠 雅樹 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (30585112)
宮之原 郁代 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40305131)
大堀 純一郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (90507162)
田淵 みな子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (90838187)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 粘膜免疫 / ワクチン / 経眼投与 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:気道感染において肺炎球菌感染を制御することは重要なテーマである。また本来は鼻腔感染を制御することを目的とするならば経鼻投与が最も合理的であるが、鼻腔投与には少なからず鼻腔粘膜からの吸収による脳神経麻痺の可能性もあり、安全な投与経路が模索されている。本年度は抗原とアジュバンドを経眼投与し涙嚢・鼻涙管経由での全身と局所免疫応答の誘導の可能性を探索した。 方法:6週齢のBALB/cマウスを用いた。抗原はPhosphorylcholin(以下:PC) 100マイクロg、アジュバンドとしてpolyinosinic-polycytidylic acid (Poly (I:C))10マイクロgを週に1回、4回経眼投与した。コントロール群は、PBS1マイクロg、PC100マイクロg、Poly(I:C)10マイクロgをそれぞれ単独で点眼投与した。免疫終了の1週間後に血清中の抗原特異的IgM,IgG,IgAをELISA法にて測定した。また唾液・鼻腔洗浄液より抗原特異的IgAを同様に測定した。 結果:PC点眼投与により血清中に抗原特異的IgM,IgG,IgA、および鼻腔洗浄液と唾液中に抗原特異的IgAを認めた。 結語: 以上よりPC経眼投与により上気道感染を制御できる可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗原とアジュバンドを経眼投与することで、経鼻投与、舌下投与同様に血清中と粘膜面において抗原特異的免疫応答誘導を確認することができた。概ね想定されていた通りである。
|
Strategy for Future Research Activity |
前述の基礎研究にて血清中と粘膜面において抗原特異的免疫応答を誘導することができた。 今後はそれらの抗原特異的抗体が感染阻止することが可能であるか、感染阻止実験(感染実験)を計画している。また頸部リンパ節、顎下腺、鼻腔リンパ組織における抗原特異的細胞を検索する予定である。
|
Causes of Carryover |
今年度はデータ解析を中心に実験を行い、新たに動物を購入しなかったため、次年度使用予算が生じた。今年度は、抗原とアジュバンドを経眼投与することで、血清中と粘膜面において抗原特異的免疫応答を誘導することができたことを踏まえて、それらの抗原特異的抗体が感染阻止することが可能であるかを確認するため感染阻止実験を行う予定である。そのため感染実験に必要な動物、試薬、器具に予算を使用する予定である。
|