2023 Fiscal Year Research-status Report
A. fumigatusに対する鼻粘膜上皮の遺伝子応答と遺伝的多様性
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22K09676
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
廣田 朝光 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (50435674)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Aspergillus fumigatus / 網羅的遺伝子発現解析 / 遺伝的多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、不明な点の多い下気道のAspergillus fumigatus (以下、Af) に対する応答に着目し、以下の3点について検証を行う。 1. 鼻粘膜上皮細胞のAfに対する遺伝子応答の網羅的解析、2. 日本人におけるAfに対する応答性の遺伝的多様性の検証、3. Af特異的IgE抗体陽性、及び、陰性症例の擦過鼻粘膜上皮細胞の網羅的遺伝子発現解析 本年度は、1の鼻粘膜上皮細胞のAfに対する遺伝子応答の網羅的解析を行うため、気相液相界面培養法のパイロット実験として、気道上皮細胞を用いて培養細胞の分化誘導を行なった。STEMCELL TECHNOLOGIES社の分化誘導培地を使用することにより、分化誘導期間の短縮 (約30日 → 約20日)、分化誘導マーカー遺伝子発現のより強い増加 (FOXJ1, CCDC40など)、形態学的なより大きな変化 (繊毛数) を確認することができ、気相液相界面培養法を行う環境が整備された。今後、この手法を用いて、細胞を鼻粘膜上皮細胞に置き換え、分化誘導後にAfの刺激を行い、網羅的遺伝子発現解を行う。 また、3のAf特異的IgE抗体陽性、及び、陰性症例の擦過鼻粘膜上皮細胞の網羅的遺伝子発現解析を行うため、前年度に確立したブラシの擦過により上皮細胞の取得を行なった。既にAf特異的IgE抗体陰性症例は、Quality Controlをパスした十分な数の網羅的遺伝子発現解析を終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、気相液相界面培養法、また、分化誘導細胞の評価手法を構築することができた。構築した手法を用いて、Af刺激を行い、その後に必要な行程は、初年度から既に行なっている網羅的遺伝子発現解析なので障壁は少ないと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
気相液相界面培養法のパイロット実験は終了したので、最終年度は、鼻粘膜上皮細胞を用いて分化誘導、Af刺激を行い、網羅的遺伝子発現解析を行う。Af特異的IgE抗体陽性の擦過鼻粘膜上皮細胞のサンプル数がまだ不十分なので可能な限り収集を行う。また、初年度に同定したミスセンスバリアントについて、サンプル数を増やしてgenotypingを行う。
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Causes of Carryover |
取得費用が最も高いと思われる鼻粘膜上皮細胞をまだ購入していないため。
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