2022 Fiscal Year Research-status Report
加齢による音声障害に対するSirt1を介した新たな治療法の開発
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22K09685
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮丸 悟 熊本大学, 病院, 講師 (10535636)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 声帯の加齢性変化 / Sirt1 / 免疫染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、加齢による音声障害について、その原因の一つとされる声帯粘膜内の細胞外マトリックスの変化について検討している。細胞外マトリックスの変化には、その代謝に関わる線維芽細胞の機能低下が関与していると考えられている。線維芽細胞の機能を調節している因子はいまだ明らかになっておらず、我々は細胞の老化において極めて重要な役割を担っている、脱アセチル化酵素のSirt1に着目している。喉頭におけるSirt1の働きを調べることで、加齢による細胞外マトリックスの変化のメカニズムを解明し、治療につなげることを目的としている。 まず、声帯を中心とした喉頭におけるSirt1の局在を確認するために、免疫染色を行った。C57BL/6マウスを安楽死させたのちに喉頭を摘出し、凍結薄切切片を作製し、抗Sirt1抗体を用いた免疫染色を行った。加齢による局在の変化の有無を確認するため、対象には4ヶ月齢、12ヶ月齢、18ヶ月齢のマウスを用い、いずれも複数個体で検討した。 免疫染色の結果、Sirt1は声門上下の腺組織に多くの発現を認めた。声帯粘膜内では後方にわずかに発現を認める程度で、その他の大部分には見られなかった。また、声帯上皮や筋層内にも明らかな発現は見られなかった。以上の結果はいずれの月齢でも大きな変化はなかった。 これまでの検討において、18ヶ月齢までは加齢によるSirt1の変化はみられなかったため、現在はさらに高齢の24ヶ月齢での検討を予定している。納入業者に依頼してモデルを作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1つには、動物を納入する業者で通常は準備されている高齢マウスがほとんど確保されておらず、納入に時間を要した。 新しく購入した試薬で依然行った実験と同様の結果が得られず、何度か免疫染色の実験を繰り返す必要があった。 また、実験にあまり時間を割く余裕がなかったことも理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
想定していた月齢のマウスで想定していた結果が得られなかったので、現在はさらに高齢のマウスを用いる予定としている。すでに納入業者には依頼しているが、かなり高齢になるため、ある程度の時間を要する。それまでの間に、これまで実験してきた月齢のマウスで同様の実験を繰り返し、再現性を確認する。 これまで免疫染色のみを行っているので、PCR検査も行う予定である。 また、Sirt1以外の蛋白も染色を行うことを想定しており、SirtuinファミリーのSirt2~7のいずれかの染色を検討している。 月齢による変化が確認されれば、飼料にNMN、MNAMを混ぜて投与することを検討している。
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Causes of Carryover |
予定していたPCR検査を次年度から開始予定のため、その納入費を計上している。そのほかは本年度と同様にマウスの購入や飼育費、試薬などの物品費として使用予定である。
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