2022 Fiscal Year Research-status Report
頸部干渉波刺激と脳機能画像評価を用いた嚥下障害の新規リハビリテーション開発
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22K09686
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
喜瀬 乗基 琉球大学, 病院, 医員 (60636421)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / 頸部干渉波刺激 / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦における肺炎および嚥下性肺炎による死亡率は高齢化社会を迎える中、増加傾向にあり嚥下障害に対する治療や予防に関する重要性は高まっている。 嚥下障害は様々な要因により引き起こされるが、腫瘍性疾患などの器質的要因では手術治療が適応となるが、脳血管障害後の嚥下障害などの機能的要因では嚥下リハビリテーション(リハビリ)が治療の中心となる事が多い。 これまで嚥下障害に対するリハビリは、下顎・頸部・舌骨・喉頭などの運動指導、食形態の調整などにより行われてきたが、近年、末梢からの電気刺激が大脳皮質の可塑性変化をもたらす事が報告されている。すなわち、咽頭への電気刺激により皮質運動野の嚥下関連領域が拡大すること(Hamdy,1998)、健常者で感覚閾値の電気刺激を咽頭に加えながら咀嚼嚥下を行うと、非刺激時よりも嚥下関連皮質の脳血流が増加する事、さらに急性期脳卒中患者においても感覚閾値の咽頭電気刺激により、非損傷側の脳血流が上昇する事(Fraser,2002)が報告された。 頸部干渉波刺激(IFC)はこうした概念に基づきジェントルスティムという名称で開発された。本機は異なる2つの電流の周波数の差として生じる干渉波を利用するというもので、上喉頭神経を感覚閾値レベルで刺激し、嚥下反射閾値を低下させる事が明らかにされている(Furuta,2012)。また脳血管障害やパーキンソン病による嚥下障害例に対しては、即時的に咽頭期嚥下機能を改善させる効果がある事も報告されている(Sugishita,2015)。しかしながら、末梢からのIFC刺激がどのような脳活動変化をもたらし嚥下機能改善に寄与しているのか脳機能面から裏付けた報告は未だない。本研究は、嚥下障害例にIFCを行い、fMRIを用いて、脳活動を検討することによってその効果を脳機能面から明らかにし、より有効なリハビリ治療を新規開発することを目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常者の脳機能画像はおおむね計画通りに撮影できている。高齢健常人がやや少ないため、今年度はそれを念頭に計画を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は若年、高齢の健常人でのfMRI撮影を目標例数取得し、functional connectivityを解析していく。また同時に嚥下障害患者での撮影を来年度までに撮影を進める。
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Causes of Carryover |
干渉波刺激装置ジェントルスティムをもともと耳鼻科で所有していたため、まずは購入せずに研究計画を実施していたため、その分の物品費が余った形となった。しかし、外来診療でも使用することがあることから、研究の方も円滑に進めるために、次年度に向けて追加購入を検討しており、その費用に充てる予定である。
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