2023 Fiscal Year Research-status Report
内耳血液迷路関門の透過性制御に基づく薬剤性難聴の予防手段の樹立
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22K09702
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西尾 綾子 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (00611576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 慶之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (10376759)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 薬剤性難聴 / 血液迷路関門 / 内耳 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、有毛細胞内で観察されるGTTRの蛍光強度を指標に、有毛細胞への取り込まれるGTTRの定量評価を試みた。LPS 1mg/kgまたは同量のPBSを静注した翌日にGTTR投与し、24時間後に安楽死させ、蝸牛感覚上皮を観察した。LPS投与群ではPBS投与群に比較し、蛍光強度が高い傾向が見られたものの、有意な差は確認できていない。この原因として自家蛍光のばらつきが影響していることが考えられたため、自家蛍光の少ない条件を検討している。並行して、カナマイシン(KM)投与により出現する難聴がLPS投与により増悪するか確認することとした。KM耳毒性モデル作製のため、二通りのスケジュールでKM投与を試みた。スケジュール1では、PBSまたはKM 700mg/kgをDay 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 9, 10, 11, 14, 15, 16の朝と晩に皮下注射した。スケジュール2では、PBSまたはKM 700mg/kgをDay1から12まで連日で皮下注射した。いずれのスケジュールにおいても、Day 1, 5, 10にPBSまたはLPS 1mg/kgを静脈内投与した。KMおよびLPS投与前後と、3-4週間目にABRを測定した。いずれのスケジュールでも、LPS-KM群では全例、PBS-KM群では一部のマウスでABR閾値の上昇を認めた。一方、LPS-PBS群、PBS-PBS群ではABR閾値の上昇を認めなかった。今後、個体数を増やしてABR閾値の変化の定量評価を行うとともに、ABR測定後に安楽死させ、蝸牛感覚上皮の有毛細胞の障害を定量評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題で予定していた研究内容のうち、約4分の3の内容が達成できている。3年間の研究計画の2年目としては、おおむね順調と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
LPSまたはPBS投与群における、GTTRの有毛細胞への取り込み量の定量評価、および、カナマイシン±LPS投与後のABR閾値の変化、有毛細胞の障害の定量評価法を確立したのちに、血液迷路関門(BBB)の透過性を抑制することが報告されている薬剤を投与し、その効果を定量評価する。
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Causes of Carryover |
研究室に既存の実験機器、物品および薬品の在庫が想定していたよりも多くあり、新規購入の必要がなかった物が多く、次年度使用額が生じた。翌年度に予想される、機器の更新や物品および薬品の新規購入に充てる予定である。
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