2022 Fiscal Year Research-status Report
好酸球性副鼻腔炎に対するニューロメジンの機能解析と治療薬への応用
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22K09713
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
若林 健一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40348743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 晶 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 室長 (50286556)
高山 健太郎 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (70611482)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 好酸球性副鼻腔炎 / 治療薬 / ニューロメジン / 中分子ペプチド化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
好酸球性副鼻腔炎は高度の鼻閉と嗅覚障害を起こす難治性かつ再発性の副鼻腔炎であり、難病指定されている。治療法として手術・経口ステロイドのほかに近年、生物学的製剤(抗IL-4/13受容体抗体)が使用されるようになった。抗IL-4/13受容体抗体の有効性は高いが、抗体医薬であるため非常に高額かつ対症療法のため継続投与が必要である。国民医療費の増加は国家的問題となっており、好酸球性副鼻腔炎においても安価な治療薬の開発は重要な課題と思われる。 神経ペプチドニューロメジンU(NMU)の受容体は、好酸球性副鼻腔炎を含めたアレルギー疾患の難治に関連すると考えられている2型自然リンパ球(ILC-2)に発現があり、喘息などの呼吸器領域ではその関与が報告されており、治療ターゲットとして有用な可能性がある。ヒトニューロメジンアンタゴニストはすでに開発されており、中分子のペプチド化合物であるため、抗体医薬と比較して安価に製剤化できる。本研究では好酸球性副鼻腔炎におけるNMUの機能解析を行い、すでに開発されているニューロメジンアンタゴニストが新規治療薬となるか検討していく。 手術検体を用いてニューロメジンと関連のあるIL-25,33の発現状況の確認、ニューロメジン刺激によるIL-4,5,13の産生状況の調査で研究を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響により鼻手術数の減少傾向が継続しており、新たな研究用検体の入手が不足しており、研究進捗が遅れる原因となっている。また、新型コロナ感染症に対する病院全体の対応に耳鼻咽喉科も参画する必要があり、マンパワーとしてはコロナ前と比べて厳しい状況にある。そのため、研究に割ける人員の不足もあり、研究が進みにくい状況を悪化させている。 研究補助員の採用も検討されたが、PCR検査作業などの新型コロナ関連業務と人員の層が重なり、容易には採用できないと思われたため、今年度は募集を見送った。
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Strategy for Future Research Activity |
不足するマンパワーを補うべく、研究補助員の採用を検討していきたい。業務の外注なども効率的に活用して、研究推進につなげたいと思う。
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Causes of Carryover |
旅費を250000円見込んでいたが、新型コロナ感染症の流行が収束せず、また多くの学会がWebと現地のハイブリッドとなったため、旅費の使用が当初より大幅に節約できた。令和5年度以降は国内外の学会へ参加が見込まれるため、令和4年度より旅費の使用が増えると予測される。
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