2022 Fiscal Year Research-status Report
内耳蝸牛基底部を自発的に増殖再生させるメカニズムの解明
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22K09715
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
宇田川 友克 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60328292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土橋 映仁 公益財団法人がん研究会, がん研究所 分子標的病理プロジェクト, 研究員 (40772249)
中澤 宝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40892245)
辰巳 徳史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60514528)
高橋 恵里沙 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20875546) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 内耳蝸牛基底部 / 難聴 / 増殖再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
内耳蝸牛は外界からの音を感知し、電気信号に換えて脳に刺激を伝える。蝸牛は加齢に伴い、高い音を感知する基底部から難治な障害が発生する。この不可逆的な聴覚障害に対する治療戦略の確立は超高齢化社会を迎えた我が国にとって喫緊の課題である。加齢による難聴の主な要因の一つに、音を電気信号に変換(mechanoelectrical transduction, MET)するシステムに重要な役割を演じている蝸牛有毛細胞の変性消失がある。有毛細胞が位置する蝸牛感覚上皮においてマウスでは胎児発生中期までに自発的な細胞分裂が終了することがよく知られている。一方、蝸牛有毛細胞のMETに必須の内リンパ電位を産生する血管条では生後も細胞増殖していることが昨年報告された(Renauld et al., 2022)。
本年度は難聴モデルマウスを用いて、胎児発生後期の血管条における自発的な細胞増殖について分子生物学的な研究を行った。具体的には、蝸牛組織切片(mid-modiolar section)を作製してin situ hybridization法によるmRNA遺伝子や免疫組織化学等による蛋白の発現局在解析実験等により、胎生後期のWildtypeマウスとPax3遺伝子ノックアウトマウスの血管条の細胞数を観察した。結果、Pax3ノックアウトマウスでは内リンパの高電位を産生する血管条の中間細胞は顕著に減少していた。この結果から一つの仮説として、「Pax3遺伝子は内耳蝸牛基底部の自発的な細胞増殖に関与している」ことが考えられる。今後、この仮説等について検証実験をおこない、内耳基底部を自発的に増殖再生させるメカニズムの解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
内耳蝸牛基底部の増殖再生に関与する候補分子の選定作業に遅延が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
内耳蝸牛基底部の増殖再生に関与する候補分子の選定の上、動物実験や培養実験等による検証をおこない、蝸牛基底部の再生メカニズムの解明と治療戦略の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策等により、内耳蝸牛基底部の増殖再生に関与する候補分子の選定作業に遅延が生じたため、当初予定していた研究費を次年度に使用することにした。
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Research Products
(1 results)