2022 Fiscal Year Research-status Report
HPV関連中咽頭癌の集団ベーススクリーニング法の開発
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22K09726
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
安藤 瑞生 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (60511467)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 中咽頭癌 / ヒト乳頭腫ウイルス(HPV) / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV; Human papillomavirus)を発癌要因とする中咽頭扁平上皮癌(HPV関連中咽頭癌)は、同じくHPVを原因とする子宮頸癌よりも世界的に患者数増加が著しく、その克服が大きな課題となっている。ウイルスに起因する頭頸部の例として、上咽頭癌では血清Epstein-Barr virus抗体価や循環腫瘍 DNA(ctDNA; circulating tumor DNA)量が早期発見や予後予測に有用とされる。しかしHPV関連中咽頭癌においては、治療前の血中HPV抗体価が予後予測因子となる可能性が報告されているものの、早期発見のためのスクリーニング検査法は世界的にみても未確立である。初期のHPV関連中咽頭癌は扁桃組織の陰窩に発生すると考えられることから、擦過法による検体採取は容易ではない。治療効果モニタリングのためのバイオマーカーの重要性は論を待たないが、本研究の目的は、HPV関連中咽頭癌の集団ベースのスクリーニング法を実現することである。 本研究では、末梢血液および、さらに簡便かつ非侵襲的に採取可能な検体である唾液を用いて研究を実施し、HPV由来DNA断片の検出が可能であった。また、発癌初期に生じる宿主ゲノムのDNAメチル化異常を複数箇所測定した。これらの異常は、遺伝子上流のプロモーター領域に限定するものではなく、遺伝子の転写開始点を含んで広範囲に分布するものである。HPV由来DNA断片は健常人でも検出されるため、単独ではHPV関連中咽頭癌のスクリーニング検査として不適である。DNAメチル化異常の検出と組み合わせ、有用なマーカーセットを探索している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既存検体の解析は進んでいる。非担癌者の検体採取の収集をさらに進める。
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Strategy for Future Research Activity |
非担癌者の検体採取の収集をさらに進め、検体の保存状況による検出力の差も検討する。
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Causes of Carryover |
非担癌者を含む検体収集がやや遅れているため解析費の余剰が生じ、次年度以降の検体に使用する。同一検体の保存状況による検出力の差の検討にも使用する。
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Research Products
(1 results)