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2022 Fiscal Year Research-status Report

細胞表面へのCTLA-4発現に着目した制御性T細胞を標的とする頭頸部癌治療の開発

Research Project

Project/Area Number 22K09731
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

的場 拓磨  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40790712)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 岩崎 真一  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (10359606)
川北 大介  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70584506)
今井 優樹  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (30440936)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywords頭頸部癌 / 制御性T細胞 / 抗腫瘍免疫
Outline of Annual Research Achievements

制御性T細胞は、腫瘍(癌)に対する免疫を含め様々な免疫を抑制する細胞である。一方、頭頸部癌は主に口腔、咽喉頭に発生する癌であり、近年増加傾向にある。頭頸部癌に対する治療、特に免疫チェックポイント阻害薬の効果については、制御性T細胞による免疫抑制が大きく関わると考えられ、私たちは頭頸部癌における制御性T細胞の特徴を見出すため、その表現型や遺伝子発現などを解析した。
その結果、頭頸部癌組織において制御性T細胞の割合が増加しており、多くの制御性T細胞が免疫抑制にかかわる分子を発現していることを見出した。さらに、遺伝子発現解析によってそれらの制御性T細胞に特徴的な遺伝子発現パターンを発見した。多くの高発現な遺伝子は、細胞増殖や細胞周期に関わる遺伝子であった。そのことから、制御性T細胞は頭頸部癌において活発に増殖している状態であると考えられた。
また、免疫抑制にかかわる分子の中で、CTLA-4は通常細胞内に多く存在しているが、細胞表面に発現した時に強い抑制能を示す。そのCTLA-4が頭頸部癌に浸潤する制御性T細胞では細胞表面に多く発現しており、強く抗腫瘍免疫を抑制していることが示唆された。
実際に免疫チェックポイント阻害薬を投与した症例を検討したところ、治療が効かない症例においては、CTLA-4を細胞表面に発現した制御性T細胞が多くみられた症例もあり、さらに症例を増やして検討を行うことで、制御性T細胞の割合やCTLA-4の発現と免疫チェックポイント阻害薬の治療効果との関係が明らかにされ、今後の治療戦略開発に貢献できる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当院は頭頸部癌治療の専門医を育成する医療機関となっており、頭頸部癌の症例数は十分である。その中で再発や転移をきたす症例も一定数あり、免疫チェックポイント阻害薬を用いて治療をする機会も十分にある。
また、頭頸部癌に浸潤しているリンパ球の採取や、フローサイトメトリーなどを用いて制御性T細胞の割合や表面分子の発現を確認する手法を先の研究で身に着けており、順調に症例ごとの制御性T細胞の割合、特に細胞表面にCTLA-4を発現しているものの割合を確認できている。

Strategy for Future Research Activity

引き続き実際の症例の経過、予後と制御性T細胞や表面CTLA-4の発現の割合との関係を解明すべくデータの解析をすすめる。
並行して、頭頸部癌においてTreg表面上にCTLA-4が多く発現するメカニズムの解明を行う。考えられるものとしては、1)Treg中にCTLA-4を細胞表面に発現させる因子が多い、2)もしくは細胞内に引き込む因子が少ない、という2つの可能性がある。従って、それらの因子につき、遺伝子発現やタンパク発現を解析することによって特定することが可能である。まず、TregのRNAシークエンスにより、細胞表面にCTLA-4を多く発現しているTregとそうでないTregとで遺伝子発現の比較を網羅的に行い、CTLA-4の細胞表面への発現に関わると予想される分子を全てピックアップする。その後、多色フローサイトメトリーやCyTOFなどを用いて実際のタンパク発現を確認する。この手法は同時に多数の分子発現を確認することができ効率的である。遺伝子発現、タンパク発現ともに確認できた分子について、in vitroでレンチウイルスを用いて遺伝子を強制発現させ、CTLA-4が実際に細胞表面に多く発現するようになるのか確認する。

Causes of Carryover

フローサイトメトリーを主体とした研究を行うため、主に表面抗原に対する蛍光抗体を多く購入した。当初の予定使用額を使い切ったため前倒し支払い請求を行ったものの、割引などもあり全て使い切ることはなかった。しかしながら、生じた次年度使用額は94,797円とそれほど多くなく、次年度引き続き必要となる抗体、緩衝液などの消耗品を購入することにあてることで有効に使用可能である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Impact of tumor burden on survival in patients with recurrent or metastatic head and neck cancer treated with immune checkpoint inhibitors2022

    • Author(s)
      Matoba Takuma、Minohara Kiyoshi、Kawakita Daisuke、Takano Gaku、Oguri Keisuke、Murashima Akihiro、Nakai Kazuyuki、Iwaki Sho、Tsuge Hiroshi、Tanaka Nobukazu、Imaizumi Sae、Hojo Wataru、Matsumura Ayano、Tsukamoto Koji、Esaki Shinichi、Iwasaki Shinichi
    • Journal Title

      Scientific Reports

      Volume: 12 Pages: -

    • DOI

      10.1038/s41598-022-18611-z

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 免疫チェックポイント阻害薬使用後に成人T細胞白血病を発症した耳下腺癌例2022

    • Author(s)
      的場拓磨
    • Organizer
      第46回日本頭頸部癌学会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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