2022 Fiscal Year Research-status Report
一側性聴神経腫瘍の遺伝子プロファイルに基づいた臨床的特徴に関する検討
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22K09750
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
若林 毅 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (40868600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 直樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (10348740)
中村 康平 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (10775802)
和佐野 浩一郎 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 聴覚・平衡覚研究部, 室長 (40528866)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 孤発性聴神経腫瘍 / NF2遺伝子 / 全エクソーム解析 / qPCR / メチル化解析 / 網羅的遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
孤発性聴神経腫瘍の切除検体を用いてゲノム解析を行い、その結果と臨床的な特徴を比較することによって、腫瘍化あるいは臨床的な性質に関与する遺伝子の解明を試みている。 今回19サンプルを用いて全エクソーム解析を行い、16サンプル(84.2%)がNF2遺伝子の両Alleleで、3サンプル(15.8%)が片Alleleで遺伝子変異しているという結果が導きだされた。なお血液サンプルを用いた腫瘍関連遺伝子パネル解析では、NF2遺伝子の変異は検出されなかった。片Alleleのみの遺伝子変異を有するヘテロ接合体での腫瘍発生については、優性阻害効果やハプロ不全、あるいはNF2遺伝子以外のドライバー遺伝子が関与している可能性が考えられた。上記より先行報告と同様に、孤発例においては主にNF2遺伝子の体細胞ゲノム変化が腫瘍発生に関与していることが示唆された。またNF2遺伝子の産物であるmerlinの免疫組織化学検査によりタンパク発現解析を行うことで、多くのサンプルが陰性(89.5%)であり先述の結果に矛盾しないものであった。 加えてリアルタイムPCR(qPCR)による遺伝子発現定量解析を行い、各サンプルのNF2遺伝子の相対的発現量を比較したところ、タンパク発現解析でmerlinが発現している(陽性)ケースはNF2遺伝子の発現量が相対的に多いことがわかり、先述の網羅的解析の結果を裏付けることができた。なおNF2遺伝子の発現量と臨床的特徴について明らかな関連はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々のここまでの網羅的解析の結果から、先行報告と同様に孤発性症例において多くがNF2遺伝子の体細胞ゲノム変化が関与していることがわかり、遺伝学的な機構の解明について、当初の予定通りおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
片AlleleのみのNF2遺伝子変異を有するケースについて、遺伝子突然変異を伴わずに遺伝子発現パターンが変化(エピゲノム変化)した可能性を考え、メチル化解析を用いたNF2 遺伝子プロモーター領域におけるエピゲノム変化を評価する予定である。併せて、メチル化が臨床上の性質に及ぼす影響についても検討する予定である。 また現在も手術により得られた孤発性聴神経腫瘍の検体を核酸処理し蓄積しており、追加サンプルとして遺伝子解析を行うことも検討している。
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Causes of Carryover |
概ね予定予算を使用している
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Research Products
(3 results)