2022 Fiscal Year Research-status Report
Association between CD79B gene mutation and prognosis in vitreoretinal lymphoma
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22K09763
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高瀬 博 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (20451940)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 眼内悪性リンパ腫 / ぶどう膜炎 / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
眼内リンパ腫は、血液がんの一種である悪性リンパ腫細胞が眼内に発生する疾患であるが、多くの症例で脳に悪性リンパ腫が生じ、生命を脅かす。悪性リンパ腫細胞に遺伝子異常の存在が同定され、その一つであるCD79B遺伝子変異が眼内のリンパ腫細胞にも見られ、それら患者は生命予後がより不良である可能性を以前に報告した。本研究は、より多数例の悪性リンパ腫細胞を用いて、このCD79B遺伝子変異を眼内悪性リンパ腫の診断にどの程度用いる事ができるか、CD79B遺伝子異常の有無が生命予後に関係するかを明らかにする事を目的として行なった。 今年度は、原発性眼内リンパ腫患者30例の硝子体液と、対照となる非眼内リンパ腫として眼内炎症性疾患であるぶどう膜炎患者10例の眼内液を収集し、DNA抽出を行なった。また、眼内リンパ腫患者については、その臨床経過、諸検査データ、のう悪性リンパ腫発症の有無などの臨床経過を診療録より抽出、データ化した。眼内液から抽出したDNAは、検体によりその量や質に大きな差異があり、一般には解析に不向きな質の低いDNAであることが多い。これは、眼内という免疫特権環境において生じる浸潤細胞の破壊や、限られた検体量しか眼球内からは得られないなどの理由による。そのため今年度は、眼内リンパ腫およびぶどう膜炎患者眼由来のDNAが遺伝子変異解析にどの程度有用であるかについて、少数の検体を用いたパイロットスタディを行なった。その結果、CD79B、MYD88を含めた複数の遺伝子変異について検出が可能であることが確認された。また、ぶどう膜炎検体における陰性も確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検体収集、臨床データ収集、実験系の確立は概ね予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
可能な限り多数症例の原発性眼内悪性リンパ腫およびぶどう膜炎を対照として、遺伝子変異解析を進めていく。また、これらの遺伝子変異の有無と、臨床データの各種パラメータとの相関の有無について解析し、遺伝子変異の検出の眼内リンパ腫診断に対する有用性、予後予測の可否などについて検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
遺伝子抽出、解析に用いた検体数が予想より少なく、使用額が予想を下回った。次年度においては、引き続き検体収集および解析の遂行と、それに伴う人件費などに用いる予定である。
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