2023 Fiscal Year Research-status Report
緑内障による構造と機能の変化はどのように患者のQOLを障害するのか?
Project/Area Number |
22K09764
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
福地 健郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90240770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤木 忠道 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30580112)
坂上 悠太 新潟大学, 医歯学総合病院, 専任助教 (30769435)
五十嵐 遼子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10895361)
植木 智志 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90595117)
奥田 修二郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00512310)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 緑内障性視神経症 / Quality of life(QOL) / Artificial intelligence / Virtual reality(VR) / 両眼視野 / コントラスト感度 / 光干渉断層計(OCT) / OCTアンギオグラフィー(OCTA) |
Outline of Annual Research Achievements |
Artificial intelligence(AI)を用いた緑内障患者のQOLスコア推定モデルの構築:広義原発開放隅角緑内障(POAG)でQOLスコアに影響する視野の領域を検討した.ハンフリー視野(HFA)プログラム24-2、10-2 SITA standardの各測定点の実測感度閾値、トータル偏差、パターン偏差とQOLスコアの相関を調べた.VFQ-25ラシュスコアはHFA10-2の乳頭中心窩・乳頭黄斑領域と最も強く相関し、この領域がQOLに最も関連する領域と考えられた. ヘッドマウント型視野計アイモvifa(iMo)を用いた視野測定と緑内障患者のQOL評価:従来の視野測定は片眼を遮蔽して行われた.iMoは両眼開放というより生理的条件での視野測定を可能にし、QOL評価のためにより適した視野測定装置である.左右眼の視野を同時に測定する両眼開放ランダムモードでは、片眼遮蔽測定に比較してbetter eyeではやや改善、worse eyeではやや悪化することが明らかとなった.また、左右眼の同じ部位に同時に指標を提示する両眼開放同時刺激モードで両眼視野を測定し、両眼重ね合わせ視野(IVF)結果との同異を検証した.両眼同時刺激視野はIVFとほぼ一致した.乳頭中心窩障害を伴う症例では、時に一致しないことが分かった.今後、緑内障患者の視野における両眼加重、両眼重ね合わせについて、さらに検証が必要である. 緑内障患者のコントラスト感度(CS)とQOLスコアの関連:POAG患者のCSは視野病期の進行、悪化とともに低下し、特にworse eyeのCSがQOLスコアとより強く相関することを報告した.CSのAULCSF値は、中心窩閾値、乳頭中心窩領域の視野感度と強く関連し、POAG患者のこの領域障害はCSを介してもQOL低下に影響することが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
AIを用いた緑内障患者のQOLスコア推定モデルの構築:やや遅れている.AIを用いたQOLスコア推定モデルの構築、QOLスコアと相関する視野領域の検討は終了し、論文化の準備中である.実際にQOL推定モデルを構築し、その精度に関する検証はこれからである. ヘッドマウント型視野計iMo CSによる両眼開放視野測定:やや遅れている.両眼同時刺激視野とIVFの違いについては、症例収集はほぼ終了している.結果の呈示に対して、どのような方法を用いるべきか、統計処理の方法を含めて検討中である.既報に関連した報告はなく、試行錯誤中である.両眼同時ランダム測定に関しては、現在、論文化を進めている. 緑内障患者のコントラスト感度(CS)とQOLの関連:研究はおおむね終了している.緑内障患者のCSとQOLの関連については論文投稿中である.CSに関連した視野の領域については、ほぼ解析を終了し、論文化の準備中である.
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Strategy for Future Research Activity |
AIを用いた緑内障患者のQOLスコア推定モデルの構築:具体的なQOLスコアの推定(算出)方法について検討中である.視野検査結果から精度の高いQOLスコアの推定が可能になれば、逆の情報としてQOLスコアの低い、つまりQOLの悪い視野パターンが同定できる可能性があり、臨床的な意義は大きい. ヘッドマウント型視野計iMo による両眼開放視野測定:データ収集はほぼ終了している.結果の解析方法、提示方法について検討中である.両眼開放視野の評価と解析は、緑内障患者のQOLを評価する上で重要な課題である.
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Causes of Carryover |
研究初年度にコロナの影響で国際学会に参加できなかったため旅費等の支出が少なく次年度に繰り越された。次年度は研究成果を国際学会で発表を行なう予定であるため旅費や英文校正費用の使用計画である。
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[Presentation] Associations between Clustered Visual Field Progression and Locations of Disc Hemorrhages in Glaucoma: a 3-year Prospective Study.2023
Author(s)
Tadamichi Akagi, Takeo Fukuchi, Tomomi Higashide, Shinji Ohkubo, Sachiko Udagawa, Kazuhisa Sugiyama, Hidenobu Tanihara, Makoto Araie, Goji Tomita, Chota Matsumoto, Atsuo Tomidokoro, Masanori Hangai, Hisashi Kawata, Maya Inai, Yuki Tanaka
Organizer
10th World Glaucoma Congress
Int'l Joint Research
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