2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of regulatory mechanisms of lipid metabolism in meibomian glands by changes in aging and indigenous bacterial flora
Project/Area Number |
22K09771
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (30613236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須谷 尚史 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (30401524)
出来尾 格 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80338128)
土居 雅夫 京都大学, 薬学研究科, 教授 (20432578)
白髭 克彦 東京大学, 定量生命科学研究所, 教授 (90273854)
木下 茂 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30116024)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Meibomian gland / MGD / Dry Eye / Microbiome / Lipidome / Sex steroid hormone |
Outline of Annual Research Achievements |
・マイバム脂質は9割以上が非極性脂質(NPL)で残りが極性脂質(PL)で、PLのうち両親媒性脂質が油層と水層の相互作用に重要で、涙液の安定性ひいては視機能に関与している。健常若齢・高齢者(男女各6名)、高齢MGD患者(10名)を対象に、質問票による自覚症状の分析、臨床所見のスコアリング、マイバムの網羅的脂質分析を行い、それらの関連について検討した。加齢・MGDに伴い、総脂質に占めるNPLの有意な低下、PLの有意な増加が見られ、特にトリグリセリドはMGD患者でのみ有意に増加していた。「眼のかすみ」など視覚の質に関連する症状は、NPL(特にコレステロールエステル)の比率と有意に負の相関を示し、PLの比率とは有意に正の相関を示した。加齢・MGDは、主要なマイバム脂質の組成比に影響を与え、自覚症状の発現につながることが明らかになった。この研究結果は論文化した。 ・日常臨床で頻度の高いマイボーム腺疾患の一つに霰粒腫があるが、19世紀以降、その定義は「マイボーム腺のうっ滞による慢性、炎症性の肉芽腫」と定義され、性差はなく、その病態は異物肉芽腫と考えられ、細菌の関与については不明であった。206例の霰粒腫症例の検討で、40歳までは有意に女性に多くそれ以降では性差がないことが明らかとなり、性ホルモンが発症に関与している可能性が考えられた。また、摘出手術を施行した霰粒腫のHE染色およびCutibacterium acnes(C. acnes)モノクローナル抗体による免疫染色により、従来報告されてきた「脂質を取り巻く異物巨細胞や組織球、リンパ球を主体とする異物肉芽腫」のみならず「好中球浸潤とそれを取り巻く類上皮細胞から成る免疫肉芽腫」が存在し、後者にC. acnesが関与していることが確認された。霰粒腫の新たな病因論を示すこの発見は、論文化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常者におけるマイボーム腺分泌脂(マイバム)の脂質分析、DNAシーケンスを用いた常在細菌叢の分析など、順調に症例数を増加し検討を続けることが出来ている。一方で、コロナ禍でマイボーム腺機能不全患者のサンプル採取がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、マイボーム腺機能不全(MGD)患者のマイバムの採取を進め、脂質分析とともにDNAシーケンスを用いた眼瞼皮膚、眼瞼結膜嚢の常在細菌叢との比較、抗菌薬内服前後の細菌叢の変化などを明らかにし、MicrobiomeとLipidomeの関連を解明を進める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍であり、MGD患者サンプル採取を十分にできず、サンプルの分析に要する費用にやや余剰があった。今年度は、患者のサンプル採取を大幅に増加する予定であり、それに伴いサンプルの採取・分析に要する支出が増加するためそこで使用する予定である。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Intracrine activity involving NAD-dependent circadian steroidogenic activity governs age associated meibomian gland dysfunction.2022
Author(s)
Sasaki L, Hamada Y, Yarimizu D, Suzuki T, Nakamura H, Shimada A, Nguyen Pham KT, Shao X, Yamamura K, Inatomi T, Morinaga H, Nishimura EK, Kudo F, Manabe I, Haraguchi S, Sugiura Y, Suematsu M, Kinoshita S, Machida M, Nakajima T, Kiyonari H, Okamura H, Yamaguchi Y, Miyake T, Doi M.
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Journal Title
Nature Aging
Volume: 2
Pages: 105-114
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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