2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new classification and therapy based on the elucidation of molecular pathophysiology of central serous choroid retinopathy
Project/Area Number |
22K09773
|
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
本田 茂 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (60283892)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 中心性漿液性脈絡網膜症 / LAT1 / CFH / ステロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)の関連遺伝子SLC7A5がコードし、網膜色素上皮(RPE)などに発現するアミノ酸トランスポーターであるLAT1が、ハイドロコーチゾン(HC)あるいはアルドステロン(ALD)による発現制御を受ける事を証明した。また、HC、ALD共にRPEにおけるフルオレセインナトリウム(Na-F)の輸送量を増加させる事、この増加したNa-F輸送量はSLC7A5の選択的阻害薬の投与で有意に抑制される事を証明した。この際、タイトジャンクションへの影響は認められず、Na-F輸送量の変化は傍細胞輸送系と関係ない事が示唆された。これ らのデータをまとめた研究論文を発表した。
補体H因子(CFH)は20個のshort consensus repeat (SCR)で構成されるが、SCR2とSCR19-20はC3と結合し、その働きを弱める事で抗炎症に働く事が予想されている。一方、SCR19-20はadrenomedullin (ADR)とも結合して血管拡張を促進すると考えられるが、SCR2とADRの結合については以前の報告がなかった。そこで人工知能を用いたタンパク構造解析アプリであるAlphaFold2による結合シミュレーションを行った結果、ADRはC3と同様SCR2に結合する事が分かった。
CFHやSLC7A5(LAT1)はCSCの病態と絡んでRPEの機能に影響を与える可能性を見るため、CSCに光線力学療法(PDT)を施行した時の眼底自発蛍光の変化を解析した結果、CFHrs800292におけるAアレルを持つ群およびSLC7A5のAアレルを持たない群はPDT後の萎縮性変化が進行した。これは同分子がPDT後のRPE機能や代謝に関与している事を示唆している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画は概ね順調に進んでおり、複数の論文も発表した。
|
Strategy for Future Research Activity |
GWASでCSCとの関連が認められたCFHやSLC7A5の遺伝子多型が、どのように各蛋白の構造、発現、結合分子との親和性などに影響を及ぼすかを明らかにするため、ゲノム編集でリスクアレルを導入した遺伝子を培養細胞系あるいは非培養系を通してタンパク合成を行い、解析を行っている。
|
Causes of Carryover |
研究計画の進捗状況により次年度使用額が生じた。これは次年度計画にて使用予定である。
|