2022 Fiscal Year Research-status Report
網膜神経細胞保護作用を介した新たな網膜色素変性治療の検討
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22K09780
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
瓶井 資弘 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40281125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 雄一郎 愛知医科大学, 医学部, 助教 (00763905)
山本 敬子 愛知医科大学, 医学部, 助教 (60715879)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 活性化プロテインC / 網膜色素変性 / 細胞保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、凝固調節因子である活性化プロテインC(Activated Protein C: APC)が虚血に伴う網膜細胞死を抑制することを基礎実験で証明し、また広範囲に閉塞した網膜血流を再灌流させるという臨床試験の結果を以前に報告した。遺伝性網膜変性疾患である網膜色素変性(Retinitis Pigmentosa: RP)においても、APCの網膜細胞保護作用を示すことができるか、また効果があった場合はそのメカニズムを解明するを研究の目的としている。 令和4年度は、RP動物モデルにおいてAPCの硝子体内投与による網膜細胞死の抑制効果につき実験的に検証した。RP動物モデルとして頻用されているrd10マウスを用い、変性発症前の生後12日目にAPCを硝子体内投与した。生後28日目に眼球摘出し、網膜凍結切片を作成、DAPIによる細胞核染色を行い、網膜外顆粒層の細胞数を計測した。APC投与群では、非投与群と比較して、外顆粒層の細胞数減少を抑制することが確認できた。 また、APCのもつ細胞保護作用のメカニズムの1つに炎症反応の抑制が挙げられる。RP動物モデルにおいても、炎症反応の抑制効果につき検証した。生後12日目にAPCを硝子体内投与した後、生後18日に眼球摘出し、リアルタイムPCRを用いて炎症性サイトカインであるインターロイキン(IL)-1βの発現を解析した。APC投与群では非投与群と比較して、IL-1βの発現が抑制されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
APCの効果判定を検討する実験系を組み立てるのに時間がかかった事、研究に充てる時間を十分に確保することができなかったため、当初の研究計画と比べてやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き動物実験を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究進行の遅延のため、予定していた一部実験が今年度実施できなかった。 前年度に行えなかった実験の経費に繰り越し金を充てる予定である。
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