2023 Fiscal Year Research-status Report
Basic research for optimizing new macular hole treatments with artificial collagen-like polypeptides
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22K09796
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小嶋 健太郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40554762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 隆規 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70322253)
田中 寛 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60850899)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 黄斑円孔 / コラーゲン / 人工コラーゲン様ポリペプチド / 硝子体手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
黄斑円孔とは網膜の中心にあり視力に重要な役割を担う黄斑に円孔が生じる疾患で、重度の視力低下と変視症をきたす。現在の黄斑円孔閉鎖のための標準的治療は硝子体手術であるが、術後の体位制限や術後視機能回復の限界といったアンメットメディカルニーズが存在する。人工コラーゲン様ポリペプチドは天然コラーゲン同様の3重らせん構造を持ち、さらに任意の機能性アミノ酸配列を組み込むことで細胞接着能等の特異な生理機能を付与できる新規バイオマテリアルである。本研究では、この人工コラーゲン様ポリペプチドを用いた新規的黄斑円孔治療により術後の体位制限、術後視機能回復力の限界といった課題を解決することを目指し、既に我々により確立されている動物実験モデルを用いてその最適化に向けた基礎的研究を行う。 前年度はα2β1インテグリンと親和性の高い機能性アミノ酸配列を組み込んだ人工コラーゲン様ポリペプチドシートを家兎網膜円孔モデルに移植し、埋植局所への影響について評価した。今年度はさらに埋植した人工コラーゲン様ポリペプチドシートの組織学的検討を行い、シートは円孔部においてほとんど分解することなく存在し、周辺組織に炎症反応は認められなかった。また、シートの製造工程を確立した。膜の原料となる3種のペプチドは GMP合成品を使用し、定められた濃度で溶解後、加熱し、室温で置いた後、一晩静置し3重らせんを形成させる。各ペプチド溶液を4:5:1 の割合で混合し、架橋に必要な酸化剤添加する。その後、膜作製の鋳型にペプチド混合液を注入し、支持体を湿潤環境下で約3日間静置しゲル化させる。ゲルを洗浄後、 ゲルを凍結乾燥にて乾燥させる。乾燥後、 0. 6 0.8 , 0 , 2 1. 4 , 1,6 mm の凸型打ち抜き機により膜を打抜き、梱包した膜を電子線滅菌するという工程を定めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りに動物実験および製造方法の検証が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
家兔動物実験の網膜円孔モデルで人工コラーゲン様ポリペプチドを用いた黄斑円孔治療デバイスの異なる形状・物性候補を複数選択し、網膜円孔内に埋め込み、経時的に評価項目を確認する予定。
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Causes of Carryover |
予定していた消耗物品の購入が遅れたため。次年度で購入予定。
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Research Products
(2 results)