2022 Fiscal Year Research-status Report
Analyses of spatio-temporal frequency characteristics in optic neuropathies
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22K09812
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
須田 謙史 京都大学, 医学研究科, 助教 (70779157)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 視神経症 / 緑内障 / 視神経炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
緑内障をはじめとした視神経症では特徴的な形態的異常およびそれに一致する機能(視野)異常の組み合わせで臨床診断されるが、この機能=構造の相関関係の詳細は解明されていない部分も多い。今回我々はコントラスト感度検査および視運動性眼振誘発検査を視神経症患者に施行することを通じて視神経症における視覚の時空間周波数特性を調査した上で、形態的異常との相関関係を解析する。視神経症に対する空間周波数特性に関しては主に脳神経内科の分野で熱心に研究が行われている。昨今ではSpaeth/Richman Contrast Sensitivity (SPARCS)というコントラスト感度検査が注目されている他、視神経炎や多発性硬化症に対するコントラスト感度検査としてはSLOAN letter setを用いたETDRSチャートが既報では使用されているが、指標がアルファベットで呈示されるため日本人に最適化されていないという問題点がある。日本で普及しているランドルト環を用いた低コントラスト視力表もあるが、いずれにしても従来の視力検査法と同様に、客観性に欠ける点がコントラスト感度検査を施行する上でも大きな問題となっている。一方で、現代の眼科診療では視力検査・視野検査といった視機能評価はコントラストの強い指標を用いて行われていることがほとんどで、低いコントラストを感知できなくなる疾患に罹患している患者の声が無視され、放置されているという問題がある。コントラスト感度が低下している症例では顔貌の認識能が落ちるという報告もあり、今後コントラスト感度の評価と治療の重要性が高まってくることが予想される。その状況下で簡便かつ客観的な視機能評価法を提示できれば、今後の眼科診療の発展に大きく寄与できることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4・5年度では(1)前視野・初期緑内障の空間周波数特性の解析、(2)圧迫性視神経症・視神経炎における空間周波数特性の治療前後変化、(3)正常眼における時間周波数特性の特徴の3つの項目について解析する予定となっていた。(1)、(2)については症例の集積および検査結果の解析が進んでいるが、(3)に関しては測定機器ソフトウェアの開発が予定より遅れており、未だデータ収集に至っていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後時間周波数特性を測定するソフトウェアの解析を促進するため、開発担当者との打ち合わせ回数を昨年よりも増加させる予定である。
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Causes of Carryover |
本研究に関する情報収集のための学会出張費を見込んでいたが、COVID-19の影響により当初想定していたよりも学会出張の回数が少なくなったため。次年度はCOVID-19感染が沈静化しており学会出張の回数が増加することが見込まれる。
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