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2023 Fiscal Year Research-status Report

Naive型多能性幹細胞の多分化能修復による分化指向性と眼関連細胞発生機序の解明

Research Project

Project/Area Number 22K09813
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

片山 朋彦  大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任研究員(常勤) (80897942)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 林 竜平  大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座教授 (70535278)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords多能性幹細胞 / Naive化 / 眼発生 / 角膜上皮細胞 / 分化指向性
Outline of Annual Research Achievements

本年度において、Naive化したヒトiPS細胞株(SEAMを介した角膜上皮細胞の誘導が困難であった4-5株のPrime型iPS細胞)を利用し、分化指向性の克服が可能であるかSEAM誘導を行い検証した。初めにPrime型からのSEAM誘導を行うために、Naive化したiPS細胞を再度Prime化させた。それらの株を用いてSEAM誘導を行った結果、正常にSEAM形成できる株が存在した。特に、これまで獲得困難であったSEAM構造の3層目に当たる角膜上皮細胞分画の誘導を可能にし、分化誘導10-12週目において角膜上皮細胞の単離が可能となった。誘導効率に関しては、これまでに我々が報告してきた正常な株と比べて誘導効率は低い傾向であった、しかしこれまで獲得が困難であった株から角膜上皮細胞を誘導することが可能となり、重層上皮細胞として角膜上皮細胞シートの構築やコロニー形成能を持つ正常な角膜上皮細胞が得られた。再現性を確かめるために、対象のNaive型iPS細胞を再Prime化とSEAM誘導を継代数や培養条件を変えて行い、SEAM構造の評価と角膜上皮細胞の誘導効率の検証をしている。一方でNaive化や再Prime化の過程の中で、継代や維持培養での負荷により核型異常と考えられたものや、異形細胞の出現のあった株も存在し、それらはSEAM形成ができなかった。
これらの結果から、ヒト多能性幹細胞のNaive化を介したDNAメチル化のリセットにより、角膜上皮細胞を中心としたSEAM形成能の分化指向性を改善することが可能であることが示唆された。よってNaive化によってリセットされたDNAのメチル化部位が存在するため、それらの変化を特定し、眼発生に必要な因子を明らかにしていく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

SEAMを介した角膜上皮細胞の誘導が困難であるヒトiPS細胞株をNaive化、再Prime化することで、分化指向性の克服を促し、眼発生モデルであるSEAM構造(特に角膜上皮細胞)を誘導することができた。これらの結果、分化能不純のiPS細胞株のNaive化による多分化能の改善を示唆した。

Strategy for Future Research Activity

最終年度では、Naive化によってリセットされたDNAのメチル化部位が存在するため、それらの変化を特定し、眼発生に必要な因子を明らかにしていく。メチル化ビーズアレイ、ATAC-seqやChIP-qPCRにて網羅的解析を行い、Naive化による分化不純改善前後のiPS細胞のDNAメチル化機構、エピゲノム状態の変化を明らかにし、眼発生機序との相関を調べることで分化指向性の解明を行う。

Causes of Carryover

Naive化iPS細胞を利用したSEAM誘導において、得られた株の多くが分化不純を解消し分化指向性を改善した。最終年度でのメチル化ビーズアレイにおいてサンプル数が増えたこと、加えてATAC-seq等のの解析が必要と協議の上で判断した。さらに再Prime化や分化誘導試験が予定通りに進んだこともあり、網羅的解析の評価に充てることとした。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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