2022 Fiscal Year Research-status Report
ベーチェット病眼症状と口腔マイクロバイオームのメタゲノム解析
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22K09818
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
北市 伸義 北海道医療大学, 予防医療科学センター, 教授 (40431366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南場 研一 北海道大学, 大学病院, 講師 (70333599)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ベーチェット病 / 疾患感受性遺伝子 / 遺伝子タイピング |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に則り、研究を行なった。 新型コロナウイルス感染症が収束せず海外での現地調査は制限されたが、モンゴルとヨルダンのベーチェット病患者サンプル(唾液と毛髪)から DNA を抽出して解析した。最も強い相関を示す疾患感受性遺伝子 HLA class Iについて遺伝子タイピングを行った。モンゴルでは平均年齢41. 3 歳、52例から患者サンプルが得られ、そのうち 44.2% の患者が HLA-B51 を保有していた。これまでの他民族での結果と同様に B*51 が最も強く相関しており、相対危険率は 2.33、95% CI は 1.27から9.94 であった(p<0.01)。HLA-A では A*01、A*02、A*24、A*31 などの保有者が患者群で多かったが、現地の健常者も同アリル保有者は多く、有意差は見られなかった。 続いてモンゴル人患者の HLA-B*51 8桁タイピングにも成功し、51:01:01:01、51:01:01:02、51:01:01:04、51:01:01:05、51:01:01:11 を検出した。B*51 保有者の 54% が51:01:01:05 を保有していた。 一方、ヨルダン人では唾液サンプル数が不足していたため、代案として毛髪サンプルを現地の医師が採取して日本に郵送することにした。しかし採取時の毛根付着の不確実性、輸送による状態劣化により十分な遺伝子解析ができなかった。筆者が2023年度にヨルダンを訪問して患者と健常者のサンプルを直接収集する予定である。 現在はモンゴル人の臨床像の解析、日本人の臨床像とその予後に関する要因の検討、海外ではヨルダン、モンゴル、タイなどの現地調査の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の収束が遅れており海外現地調査は制限されたが、モンゴルとヨルダンのサンプルを解析することができた。モンゴルではサンプルの状態が良好で遺伝子解析が順調に進み、現在は臨床症状の特徴などの解析も行なっている。さらに比較のために日本人患者の臨床像や予後影響因子の解析も行い、順調に推移している。 海外各国の現地調査を2022年度に行えなかったことはパンデミック下でやむを得ないが、可能な部分から研究計画を進展できたと考える。本来、毛髪サンプルでも状態が良ければ患者 DNA 解析は可能であるので期待したが、ヨルダンからのサンプルは今回、輸送時の劣化で解析不能であった。現地と今後の共同研究を進める上で採取や輸送の手順確認など反省点をノウハウとして蓄積できたこともおおむね順調の範囲内と考える。 2023年度はヨルダンを訪問して直接サンプルを収集・回収する予定であるので、良質な唾液サンプルを採取して患者 DNA と口腔内フローラの解析が可能になると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが変更になり、渡航に関わる諸条件が緩和されることで研究の推進が進むと考える。 ヨルダン=ハシミテ王国は2023年度前半に現地調査を行い、臨床診断とそのサンプルを収集して解析を進める。モンゴル国については現在大学間共同研究連携協定調印手続きのためメモランダムを交換中であるので、2023年度か2024年度に現地調査を行える予定で準備が進んでいる。タイ王国の大学とも共同研究の合意形成が進んでおり、2023年度中に進展する可能性が高い。また、日本国内でも他大学と口腔内環境および血液中の自己抗体に関する共同研究の合意が進んでいる。それ以外の国については国際ベーチェット病学会や国際セミナーを主体的に開催して参加者から各国の情報を集めている。 集まったサンプルは計画書通りに口腔内フローラと患者 DNA を解析し、臨床像については日本などと比較しながらその特徴を解析する予定にしている。
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Causes of Carryover |
海外旅費が次年度にずれたため。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Macrophage-like iPS-derived suppressor cells reduce Th1-mediated immune response to a retinal antigen.2022
Author(s)
Hase K, Namba K, Wada H, Tsuji H, Maeda A, Murata T, Otsuka R, Iwata D, Kanda A, Noda K, Kitaichi N, Seino K, Ishida S
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Journal Title
Curr Eye Res
Volume: 46
Pages: 1908-1916
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Clinical features of ocular sarcoidosis: severe, refrectory, and prolonged inflammation.2022
Author(s)
Suzuki K, Ishihara M, Nanba K, Ohno S, Goto H, Takase H, Kawano S, Shibuya E, Hase K, Iwata D, Mizuuchi K, Kitaichi N, Mizuki N, Ishida S.
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Journal Title
Jpn J Ophthalmol.
Volume: 66
Pages: 447-454
DOI
Peer Reviewed
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