2022 Fiscal Year Research-status Report
遺伝性網膜・視神経ジストロフィの症例収拾および疾患別頻度の検討
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22K09825
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
國吉 一樹 近畿大学, 医学部, 准教授 (30234470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 孝彰 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10297418)
近藤 寛之 産業医科大学, 医学部, 教授 (40268991)
松下 賢治 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40437405)
上野 真治 弘前大学, 医学系研究科, 教授 (80528670)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遺伝性網膜ジストロフィ / 網膜色素変性 / KCNV2 / 網膜電図 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は遺伝性網膜視神経ジストロフィが疑われる患者34例の遺伝子解析を行い,そのうち12例で候補となる原因遺伝子が判明した.これまでの遺伝子解析結果の一部を学会で報告し,論文として投稿した(査読中).また,代表研究者が現在診療中の遺伝性網膜ジストロフィの視機能を後ろ向きに解析し,学会発表を行った.また,ABCA4関連網膜症については,慈恵医大との共同研究として2023年4月に日本眼科学会で発表し,現在,論文を作成中である.2022年度に発表した学会と現在投稿中の論文は以下の通りである. (学会発表)第126回日本眼科学会総会,2022年4月14~17日(大阪市),1演題(永江由季,國吉一樹,他.網膜色素変性を合併する白内障の術前・術後の視力経過);第60回日本神経眼科学会総会,2022年11月11~12日(倉敷市),1演題(田村佳菜子,國吉一樹,他.両眼の視神経障害を合併したLeigh脳症);第61回日本網膜硝子体学会総会,2022年12月2~4日(大阪市),1演題(後藤夕輝,國吉一樹,他.黄斑円孔術後に黄斑萎縮をきたした網膜色素変性);Annual meeting of International Society for Clinical Electrophysiology of Vision (ISCEV;国際臨床視覚電気生理学会), 2023年3月15日~18日(京都市),2演題 (Sato T, Kuniyoshi K, et al. KCNV2-associated retinopathy, Nagae Y, Kuniyoshi K, et al. Digoxin retinopathy) (投稿中論文)Sato T, Kuniyoshi K, et al. KCNV2-associated retinopathy, Nagae Y, Kuniyoshi K, et al. Digoxin retinopathy, Goto Y, Kuniyoshi K, et al. Macular atrophy after macular hole surgery in an eye with retinitis pigmentosaの合計3本.いずれもDocumenta Ophthalmologica誌へ投稿して査読中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は近畿大学眼科(研究代表者の施設)を新たに受診した34例の遺伝性網膜ジストロフィについて遺伝子解析を行った.内訳は,網膜色素変性12例,スタルガルト病3例,黄斑変性(標的黄斑症)5例,白点状眼底5例,錐体(-杆体)ジストロフィ3例,レーベル先天黒内障/早発型網膜ジストロフィ2例,ベストロフィン網膜症1例,先天網膜分離症1例,常染色体優性視神経萎縮2例であった(疑い例を含む).2023年3月までに,うち12例で遺伝子検索結果が判明しており,候補となる原因遺伝子は,RDH5が2例,ABCA4が3例,OPA1,RP1,PROM1,PRPH2,EYS,CLN3,CHMがそれぞれ1例ずつであった. 以上のごとく,遺伝性網膜ジストロフィは予定通りの症例数が来院し,遺伝子解析は順調に進んでいる.一部の成果は学会で報告して論文投稿中である.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は遺伝性網膜ジストロフィをさらに収拾して遺伝子解析をすすめてゆく.それと並行して,それぞれの症例やその両親の出身地を調査して疫学的調査をすすめてゆく.本年度は研究者の施設(近畿大学病院)近隣にある眼科施設に本研究を知っていただくために,遺伝性網膜ジストロフィに関するダイレクトメールや勉強会を開催して,遺伝性網膜ジストロフィの研究者の施設への紹介受診を促し,地域内の遺伝性網膜ジストロフィを可能な限り収拾してゆく方針である. また,その遺伝子検索結果や遺伝性網膜ジストロフィの視機能検査の結果は,学会(2024年度日本眼科学会総会,日本視覚臨床電気生理学会,日本視野画像学会,国際臨床視覚電気生理学会)での発表や論文の出版として公表する予定である.
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Causes of Carryover |
①予定していたパソコンソフト(Endnote)の購入が遅れている(2023年度購入予定) ②英文校閲費用は論文投稿が2023年3月になったために,2023年4月以降に支払い予定である ③一部の遺伝子解析の外注依頼を2022年2月以降に行ったところ,見積書などの作成日時の関係で,今回依頼した遺伝子解析料金は2023年度の予算から使用することになった.具体的には遺伝子解析料およそ90万円が2023年4月に本研究費から支出される見込みである.
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Genetic characterization of 1210 Japanese pedigrees with inherited retinal diseases by whole-exome sequencing2022
Author(s)
Suga A, ,,,,, Kuniyoshi K, ,,,,, Iwata T
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Journal Title
Hum Mutat
Volume: 43
Pages: 2251-2264
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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