2023 Fiscal Year Research-status Report
血小板とリンパ管内皮細胞の相互作用を標的にした新たなリンパ浮腫治療の開発
Project/Area Number |
22K09854
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
植木 春香 新潟大学, 医歯学総合病院, 専任助教 (10899933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宏明 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (80965260)
平島 正則 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40383757)
松田 健 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50423166)
椎谷 友博 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80613190)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / マウス / リンパ管静脈吻合 / 臨床モデル / siRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年報告した内容を引き継ぎ、リンパ浮腫モデルマウスに対する薬剤投与を行った。結果として、抗ポドプラニン抗体投与群ではコントロール群との間に差は見られなかったが、PLC阻害剤投与群では後肢周径の測定において浮腫の改善を認めた。これらの内容について、第32回日本形成外科学会基礎学術集会、第50回日本マイクロサージェリー学会学術集会で口頭発表を行った。 PLC阻害剤投与群での結果を以て、PLC阻害剤のリンパ球に対する作用と炎症反応の阻害についての検討を進めている。具体的にはIL-2, IL-6, COX2といった炎症関連遺伝子の発現をリンパ浮腫モデルそれぞれにおいてRT-PCRを用いて検証する予定である。また、炎症反応の影響を切り離すために、リンパ管内皮細胞側に作用して血小板との相互作用を抑える薬剤を投与する系について計画中である。現在はポドプラニンの発現を抑えるsiRNAをマウスに投与してその効力を確認している。 組織透明化技術については、マウス後肢の透明化とライトシート顕微鏡を用いた観察に成功した。Prox1-eGFPマウスに対してEvansblue-dyeを静脈投与して灌流固定した上で観察することで、皮下の血管ネットワークとリンパ管のネットワークをそれぞれ判別して観察することが可能であった。上記の実験系において更なる成果ができれば適応し、リンパ管、血管の吻合や形態の観察を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述の通りであるが、PLC阻害剤投与に伴う炎症反応の影響を切り離す条件の設定に難渋してやや進行に遅れが見られる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っているリンパ管内皮細胞に対して作用する薬剤の効力を検討し、昨年確立したリンパ浮腫モデルマウスに対する投与を行い、検討する。
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Causes of Carryover |
炎症反応の影響を除外するための検討で時間を要したために実験計画に遅延が生じたために余剰予算が生じた。来年度において実験を遂行する過程で薬剤購入費などに使用する予定である。
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