2023 Fiscal Year Research-status Report
emulsification(乳化)技術を用いた解剖体用脈管造影剤の開発
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22K09859
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松本 洋 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (20423329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木股 敬裕 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (50392345)
品岡 玲 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90724500)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脈管解剖 / 肉眼解剖 / 造影剤 / 乳化技術 / 界面活性剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、乳化技術により油脂性造影剤を水溶化しつつ着色、高い造影効果と低粘性、長期染色性を維持した造影剤の開発が目的である。本年度は、膜乳化技術による造影剤粒子径の調整研究に加え、昨年度施行した、これまでの各種造影剤との粘性比較実験や解剖体への注入実験で得られた造影能、視認性確認実験を基に論文作成を行った。膜乳化技術による造影剤粒子径の調整研究では、直接乳化法で1μm、3μm、10μmの乳化コネクターを用いた。リピオドールにPEG-60水添ヒマシ油、精製水を加え、1μmコネクターではシリンジポンプを使用し乳化流束0.2ml/h、スターラー回転数400rpm、3μmでは0.5ml/h(400rpm)、10μmでは2ml/h(300rpm)で乳化処理を行った。しかしながら、いずれの乳化コネクターも均一な径の乳化産物を得ることができず、リピオドールや界面活性剤自体の粘性が直接乳化フィルターに影響を及ぼしていることが考えられた。リピオドールの加温処理や界面活性剤の濃度調整を行ったが安定した結果は得られず、透過乳化法を用いることにした。透過乳化法では5μm、10μm、20μmの乳化コネクターを使用した。透過乳化法では乳化産物は得られたが、顕微鏡下に粒子の状態を観察したところ、粒子径は大小不均一であり、目的とする均一な径を有する粒子の調整はできず、膜乳化法での粒子径の調整は困難との結論に至った。 一方、造影能、視認性確認実験を基にした論文作成、投稿を行ったが、査読においてポリヨウ化脂肪酸エステルの混合物であるAngiofilとの比較検討を提案された。それに対応するため、Angiofilを流動パラフィンと1:5の割合で混合し、今後、粘度測定や着色能の検討、解剖体における造影能の評価を行う予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規造影剤の調製、性能評価はすでに終えているが、粒子径の調整は困難であり、当初の計画からは遅れていると言わざる終えない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はポリヨウ化脂肪酸エステルの混合物であるAngiofilの性能評価と新規造影剤の比較検討を予定している。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していた膜乳化技術による実験が予定通り進まず、残額が生じた。次年度はAngiofilを用いた追加研究を予定しており、当該費用に支出する予定である。
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