2023 Fiscal Year Research-status Report
生体内再生能を有する微小細切化軟骨をコーティングした人工材料移植技術の開発
Project/Area Number |
22K09861
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
四ッ柳 高敏 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70250595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜本 有祐 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10380180) [Withdrawn]
北 愛里紗 札幌医科大学, 医学部, 助教 (20642185)
山下 建 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30312507)
柿崎 育子 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (80302024)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肋軟骨移植 / 生体内再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初細切した肋軟骨を人工耳介上に噴霧して耳介を形成する予定であったが、より少量の軟骨で、むらなく、吸収の少ない安定した軟骨移植とすることを考慮し、軟骨を薄切りにして、利用する方法を検討することとした。昨年度は軟骨の超薄切り切片の軟骨作製を試みる手技に変更し、試作機により、軟骨を約10~12枚の薄い切片にすることに成功した。 しかし、これでは本来の目的とする表面積への効率的貼付には不足していると判断し、本年度は、より薄くできるよう軟骨のスライサーを新規開発することを目標とした。現在肋軟骨1片(厚さ12mm程度)を、20~25枚(500~600μm)にスライスする新技術を構築した。スライサーは、歯を30枚平行に装着し(各スペースがこれにより、20~25倍の表面積を被覆する軟骨面を形成できるようになった。しかし、スライスした軟骨は、一方の面に沿って湾曲してしまい、取り扱いが難しいという問題点が生じた。そこで、うまく人工耳介に均一に貼付するためには、一旦軟骨を平面化する必要があることから、貼付前に10分間50gの重り下に置くことで、ある程度の平坦化を獲得することがわかった。人工耳介表層に薄層軟骨を均一に貼付する本技術が確立できると、再生医療を要さずに、少量の軟骨で大きな立体形態の再現が可能となる。 今後、生体内再生医療との併用も視野に、人工耳介に均一に貼付する技術を検討し、人工耳介が自家肋軟骨にてコーティングされる技術を確立することを目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究途中で、当初計画とは方向性がやや変化したことによる遅れは否めないが、本年に入って、自作の軟骨スライサーによる軟骨の超薄の切片にする技術を獲得できたため、同等の進行状況にあると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、超薄の切片軟骨を、人工耳介に均一に貼付する技術を検討する。また、生体内再生医療による、軟骨再生のプラスα(自己修復効果を主に期待)も併用することを目標とする。そのため、超薄の切片軟骨を人工耳介表層に密着させるための技術(人工耳介表層に塗布する薬剤の検討)、および、軟骨に、コラゲナーゼ処理し、b-FGFを噴霧したのちに、軟骨がどのような経過を取るかを確認していく。実際に犬背部に移植し、経時的に軟骨及び人工骨の形態、病理学的変化等を検討していく。
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Causes of Carryover |
本年は主に軟骨はく削機器の試作に主軸を置いた研究になったことから、本年中に行なう予定であった軟骨の生化学的、または病理組織学的検討を来年度に移行することとした。従ってそれらに使う試薬等を本年使用しておらず、来年度予算にて計上する予定とした。また、来年度にカナダ、トロントにて国際耳介再建外科学会が開催予定であり、本学会では世界最先端で研究されている人工骨や再生医療の現状についての情報取集が可能となるため参加を予定している。
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