2022 Fiscal Year Research-status Report
自家培養表皮移植による乳房再建時の乳頭乳輪の色調調節
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22K09872
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
梶川 明義 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70260495)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 培養表皮 / 再生医療 / 色素細胞 / 表皮細胞 / 植皮 / 色素沈着 / メラニン / 乳頭乳輪再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、IC取得後に乳房再建患者より、50例程度の余剰皮膚の提供を受けることができた。得られた皮膚は酵素処理を行い、表皮細胞、色素細胞に分け培養し、色素細胞数を自在にあやつることで色調調整を行い、濃さの度合いの異なる培養表皮を複数種類作製することに成功した。培養表皮の作製は、色素細胞数を既報の独自の基準値より最大4倍まで増加させることが可能であった。 その培養表皮を用いてヌードマウスに移植し、固定方法の検討を行った。しかし、マウスは動きが激しく、人と同じような固定では、不安定な培養表皮はすぐにはがれてしまい、うまく固定できなかった。そこで、固定法を検討し、創傷被覆材(デュオアクティブ(R))での固定を行うこととした。また、ライトで体温管理を行いながら、麻酔から自然に覚醒させることで、培養表皮を固定することができた。被覆材は2日で自然脱落したが、培養表皮は定着できた。 移植直後には着色の確認はできなかったが、移植3カ月後以降で着色が確認できた。しかし、色が薄いため、現在はUV照射やホルモン投与などにより、より濃い色、そして着色の定着を検討している。また、今後は、数を増やし、再現性の確認を行う予定としている。 一方、臨床症例では、鼠径部などの色調の強い自家培養表皮を作製し、乳頭乳輪へ移植後、エキシマレーザーなどによる治療により、若干の着色は確認できたが、まだ目的の濃さまでは着色できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験用培養表皮作製に用いる余剰皮膚も十分に確保でき、色素細胞頭数を調整することで、色調調節の可能な培養表皮を作製することができた。また、その培養表皮を用いたマウスでの移植実験において、被覆材の検討、培養表皮の定着が想定以上にスムーズに進み、移植3か月後には着色を確認できたことは大きな成果である。 臨床症例においては、令和4年度は1例のみ実施したが、まだ色調の濃さが不十分であるため、色調を強める培養表皮の作製方法を検討中で、その後に臨床例を増やす予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究予定に変更はなく、令和4年度に申告した科学研究費交付申請書に則り、予定通り令和5年度の研究が遂行できると考えている。
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Causes of Carryover |
(理由) 令和4年度は、色調の増強がまだ不十分で、臨床成果が期待通り挙げられていないため学会発表、論文発表に至らず、一部資金は次年度繰越となった。 (使用計画) 色調増強のマウスの培養表皮移植実験を追加して行って、再現性の確認、および臨床的検討を行い、各種学会発表を行って、出張資金として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)