2023 Fiscal Year Research-status Report
自家培養表皮移植による乳房再建時の乳頭乳輪の色調調節
Project/Area Number |
22K09872
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
梶川 明義 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70260495)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 培養表皮 / 再生医療 / 色素細胞 / 表皮細胞 / 植皮 / 色素沈着 / メラニン / 乳頭乳輪再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、IC取得後に乳房再建患者より、100例程度の余剰皮膚の提供を受けることができた。得られた皮膚は酵素処理を行い、各種細胞を単離した。単離した色素細胞は培養し増殖させ、色素細胞単独でヌードマウスへの移植を試みた。移植効率を上げるために、色素細胞はハイドロゲルに融解しゲル状とした。 令和4年度に引き続き、ヌードマウスの移植の際の固定方法の検討を行った。創傷被覆材(デュオアクティブ)での固定では、被覆材が2日で自然脱落してしまうため、より長時間固定できる方法として、被覆材の上にさらに自着包帯を巻くこととした。自着包帯は1週間後でもはがれることはなかった。 移殖から1週間後に、包帯と被覆材をはがしたところ、移植部分は完全に上皮化していた。 移植直後には着色の確認はできなかったが、プロスタマイド誘導体であるビマトプロストの投与により、3ヶ月後以降に部分的に黒色の着色が確認できた。その後、UV照射により、着色が濃くなることを確認している。 今後は、数を増やすとともに、再現性を確認し、安定した着色技術の確立、培養表皮移植と色素細胞単独移殖との着色効率の比較を行う予定にしている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験用培養表皮や色素細胞単離に用いる余剰皮膚も十分に確保でき、ヌードマウスに色素細胞を単独移植することで着色の確認ができた。また、色素細胞をハイドロゲルに融解しゲル状にすることで、移植効率が向上した。そして、創傷被覆材と自着包帯を併用することで、ヌードマウスへの負担も極力少なく、スムーズに上皮化したことは大きな成果と認識している。 一方、安定した着色がまだまだ不十分なため、着色技術の向上に引き続き努めたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究予定に変更はなく、令和4年度に申告した科学研究費交付申請書に則り、予定通り令和6年度の研究が遂行できると考えている。
|
Causes of Carryover |
(理由)令和5年度は、着色技術の安定化が不十分なため、学会発表、論文発表に至らず、一部資金は次年度繰越となった。 (使用計画)色調増強のマウスの移植実験を追加し、再現性の確認、および臨床的検討を行い、各種学会発表等の出張資金として使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)