2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K09884
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊方 敏勝 熊本大学, 病院, 講師 (90423673)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床的に有用な診断/治療マーカーがいまだ見いだされていない疾患が形成外科領域においては数多く存在し、我々は今回、比較的容易にサンプリング可能な爪に着目し、爪microRNA濃度を測定し、正常対照群との比較や臨床症状との相関の検討を行うことを計画した。予備実験として、爪から効率的にmicroRNA抽出する方法を検討している。複数の方法を比較し、Isohair kit (Nippon Gene, Toyama, Japan)およびIsogen (Nippon Gene, Toyama, Japan)を用いる方法を計画することにし、現在、効率的な抽出方法を検討中である。 今後は、多数のサンプルからmicroRNAを抽出し、疾患群でのmicroRNA濃度を正常群や他疾患群と比較し臨床症状との相関を調べることで、疾患マーカーとしての有用性を評価する。さらに疾患群で変化しているmicroRNAに注目し、その機能解析をおこない治療への応用を模索する。 各疾患患者(特に末梢動脈疾患や爪変形や爪部悪性黒色腫などそれぞれ20人以上を予定)より採取し保存した爪よりtotal microRNAを抽出する。すでに病変部で発現が変化している事が知られているmicroRNAや各疾患で重要な働きをしている蛋白を制御しうるmicroRNAをリストアップし、それらが実際に爪中に発現しているかをまず少数のサンプルを用いて確認する。末梢動脈疾患については潰瘍を有する他の足潰瘍病変(例えば虚血のない糖尿病性足潰瘍)などの患者サンプルも併せて検討することで対照群を幅広く用意し、各疾患に特異的な変化を見いだせるよう工夫をする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
透析患者の爪を主に集めることにしているが、透析患者は複数の疾患をベースに持つことが多く、解析が困難なことが予想されている。 爪では爪白癬の罹患率が高いが、有無により評価が分かれることが懸念材料である
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Strategy for Future Research Activity |
どの足趾の爪を採取すするかで変わるの可能性や、変化が起こっている趾爪と変化がない爪の差異を検討していく必要がある。 急性発症の疾患と慢性疾患では評価の仕方を分ける必要があることが検討された。爪が伸びることを考えると少なくとも6ヶ月くらいは罹患期間が必要かもしれないことも懸念材料である。
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