2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K09893
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐野 里紗 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (40896966)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長島 隼人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (20645113)
酒井 成貴 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (00464941)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 筋衛星細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者医療が逼迫した状況となる中で、サルコペニアも含むロコモティブシンドロームにならないように筋力を維持することが、超少子高齢化が改善されない現状においては、医療資源やマンパワーの問題から考えても大切となる。我々形成外科の視点から考えると、高齢者となると発生しやすくなる皮膚潰瘍である褥瘡は、予防や創部の処置のために高齢者医療のなかでもとても力を割かなくてはならず、本人の疼痛、不快感のみではなく、介護者のマンパワー、医療資源などの問題からも早急に解決すべき問題の1つである。発生原因としては、体位変換を自力で行えなくなることが挙げられる。この根本的原因を解決するために、高齢者の筋力の維持は不可欠であると考えている。 そのため、若齢・老齢マウスから単離した筋衛生細胞における発現遺伝子を網羅的遺伝子発現解析を用いて比較する。筋衛星細胞が老化する中で変化した遺伝子発現は、幹細胞老化の原因であるか、結果であるかに関わらず、その機能へ与える役割が非常に大きいと考えられるため、我々はこの違いを明らかにしたい。さらには遺伝子導入をすることにより、筋細胞、筋組織の若返りや老化防止を目指していく。 研究としては、若齢・老齢マウスから前脛骨筋を採取し、筋衛星細胞を単離することを行う予定としている。 2022年度は、当研究室では、マウス前脛骨筋からFACSを用いて、CD11b-CD31-CD34-CD45-CD56+ cellを単離するプロトコールの確立を目指した。 2023年度以降は、若齢、老齢マウスから単離した筋衛星細胞から、網羅的遺伝子発現解析を行い、さらには遺伝子導入により筋組織の若返りを行うことを想定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、当研究室では、マウス前脛骨筋からFACSを用いて、CD11b-CD31-CD34-CD45-CD56+ cellを単離するプロトコールの確立段階である。若齢・老齢マウスから前脛骨筋を採取し、筋衛星細胞を単離することを行う予定としている。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在はFACSでの単離でプロトコール作成を行っているが、難しいと判断する場合にはMACSでの単離へ切り替える可能性も検討している。さらに前脛骨筋のみではなく、腓腹筋、ヒラメ筋などの他の骨格筋も含めて単離することも考慮する。 2023年度以降の今後の実験としては、若齢、老齢マウスから単離した筋衛星細胞から、発現遺伝子の差異の解析を行い、さらには遺伝子導入により筋組織の若返りを行うことを今後想定している。そのため、筋衛星細胞の単離プロトコールを早急に確立し、研究を進める必要がある。
|
Causes of Carryover |
次年度以降も使用する実験試薬などの購入のために、使用を行った。そのため次年度の助成金から差し引くこととなっても、使用計画としては変更なく可能であると考える。
|