2023 Fiscal Year Research-status Report
歯原性細胞に依存しないiPS細胞によるエナメル芽細胞誘導と歯胚作成技法の創出
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22K09919
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
須澤 徹夫 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (60271285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 英光 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (70271210)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | iPS細胞 / エナメル芽細胞 / 象牙芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯原性細胞に依存しないiPS細胞のエナメル芽細胞誘導系の確立と、iPS細胞由来エナメル芽細胞と象牙芽細胞による歯胚作成を目的に以下の実験を実施した。1) iPS細胞から歯原性細胞様細胞への誘導を検討した。iPS細胞を象牙芽細胞分化培地で培養すると対照に比べ象牙質シアロリンタンパク質の発現上昇と石灰化の指標アリザリンレッド染色も濃染したことから、歯原性間葉細胞である象牙芽細胞様細胞への分化が確認できた。2) iPS細胞をShhなど含むエナメル芽細胞分化培地で培養すると、対照に比べエナメルタンパク質の発現が亢進したことから、歯原性上皮細胞であるエナメル芽細胞様細胞への分化が確認できた。3) iPS細胞由来の歯原性様上皮細胞と間葉細胞を、コラーゲンゲル内で接するように三次元培養した細胞塊をマウス腎被膜に移植すると、形態の異なる二種類の細胞を観察した。規則的な細胞極性は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ヒトiPS細胞の増殖・維持は、Essential 8 (GibcoTM)で培養した。iPS細胞からエナメル芽細胞への分化誘導法は、MCDB153にインスリンなど添加した上皮細胞培地にBMP-4とレチノイン酸で刺激して、上皮様細胞へ誘導した後にDMEM/F-12にShh、FGF-8など添加した分化誘導培地で培養した。培養14日後に遺伝子発現をReal-time PCR法により解析すると、対照に比べAmelogenin、Ameloblastin遺伝子の発現が上昇した。しかしながらWestern Blot法を用いたタンパク質レベルの発現をみると、対照に比べて明らかなAmelogenin産生の増加は確認されなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
空間的トランスクリプトーム解析から、間葉組織と接するエナメル上皮の分化過程において特徴的な発現変動する遺伝子を抽出する。UMAP(Uniform Manifold Approximation and Projection)解析によるクラスター分類から、Sox2陽性クラスターを中心にエナメル芽細胞の分化を制御する候補分子を選定する。培養上清に添加することを考慮して、局在が細胞外で 細胞接着や細胞極性形成、分化促進の関連分子を選定し、エナメル芽細胞誘導系の効率化を図る。
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Causes of Carryover |
iPS細胞からエナメル芽細胞へ分化誘導の条件設定に想定以上の期間を費やした結果、空間的RNAシークエンス法を用いた解析の実施に至らなかった。2024年度は空間的RNAシークエンス法によって、位置情報を維持したままエナメル上皮組織の全トランスクリプトーム解析を実施する。間葉組織と接するエナメル上皮の分化過程における遺伝子発現の解析結果をエナメル芽細胞誘導系に応用して、エナメル芽細胞誘導系の効率化を図る。
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