2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of new tongue carcinoma treatment and new biomarker using suramin
Project/Area Number |
22K09922
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
格口 渉 北海道大学, 大学病院, 助教 (70740645)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 舌癌 / 浸潤様式 / YK分類 / TB / WPOI |
Outline of Annual Research Achievements |
Suraminが舌癌細胞に対して有意にdown regulationするタンパクを実際の舌癌で免疫染色し、腫瘍の予後に係るかどうかを検索するため、まずはT1-2N0M0の症例に対し、臨床病理学的検討を行うこととした。腫瘍の大きさ、腫瘍の深さ、臨床T分類、病理T分類、浸潤様式であるYK分類・WPOI分類、発育様式であるTBでの分類、静脈浸潤、リンパ管浸潤、神経周囲浸潤、腫瘍分化度が術後頚部リンパ節後発転移に対して影響を及ぼすかどうかを検索した。これらを統計的に検索すると、腫瘍の深さとYK分類、TBによる分類、WPOIは頚部リンパ節後発転移に対し、有意な因子として働いていることがわかった。反面、今まで頚部リンパ節後発転移に関わる可能性が示唆されてきた、リンパ管浸潤、静脈浸潤は有意な因子として見出せなかった。これらの因子が陽性となる症例が少なかったことから、症例数が増加すれば、有意差が得られる可能性はあると思われた。この結果はJ Dent Sciに報告し、acceptされている。また、頚部リンパ節後発転移している症例とそうでない症例に対し、Suraminがdown regulationするタンパクを免疫染色して、頚部リンパ節後発転移に関わっているかどうかを検討する。具体的にはCyclinB1などのcell cycleに関わる蛋白を免疫染色して、比較している。CyclinB1はがんの増殖にとって重要な因子となるため、この蛋白が頚部リンパ節後発転移に関わっている場合、Suraminが舌癌に対する有効な薬剤であることを証明できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Suraminが舌癌細胞に対して有意にdown regulationするタンパクを実際の舌癌で免疫染色し、統計的に検討している。データ解析に時間がかかっているが、概ね順調に計画が進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
実際の舌癌患者における予後不良因子であるリンパ節後発転移において、Suraminが効果があるかどうかをSuraminがdown regulationするタンパクをさらに数種類ピックアップし、免疫染色を行っていく予定である。これらの因子が舌癌のリンパ節転移に重要であれば、Suraminを臨床使用する意義を見出せる。
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Causes of Carryover |
研究計画を順調に進めており、2-3月に論文の英文校正費がかかる予定であったが、論文の作成が少し遅れたため、校正費が4月にずれ込んでしまったため、次年度使用額が生じました。4月に論文英文校正費を支払っており、さらに査読に対する返答の英文校正費が4-5月にかかる予定です。
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