2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of new tongue carcinoma treatment and new biomarker using suramin
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22K09922
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
格口 渉 北海道大学, 大学病院, 助教 (70740645)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CyclinB1 / PCNA / リンパ節転移 / 舌癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
RNA結合蛋白であるHuRの機能阻害作用をもつSuraminが、ヒト舌扁平上皮がん細胞に対してCyclinB1とProliferating cell nuclear antigen (PCNA)を抑制することから、これらのタンパク質が実際の臨床における早期舌扁平上皮癌(STAGE1/2)においてどのような挙動を示すかを研究した。2000年から2023年に当院を受診した早期舌扁平上皮癌患者において、舌部分切除術の組織検体をHE染色、CyclinB、PCNAを免疫染色して分析した。早期舌扁平上皮癌患者にとって予後規定因子となる頸部リンパ節後発転移について検索した。染色したスライドはNano Zoomerで取り込み、染色陽性細胞をカウントし、その割合を計算した。PCNAに関しては細胞質が染色されている細胞を陽性として計算した。CyClinB1とPCNAで、リンパ節後発転移と陽性率でROC曲線を作成し、特異度と感度を求めた。CyclinB1はAUC=78%とまずまずの予測能を示したが、PCNAではAUC=60%であり予測能は低かった。これらを用いて、それぞれのcut off値を求めた。CyclinB1のは、リンパ節後発転移をおこした群において、有意に染色率が高く、リンパ節後発転移に関連があると考えられた。一方で、PCNAは有意差はなかった。頸部リンパ節転移をエンドポイントとし、Kaplan-Meier法にてリンパ節転移陰性生存率を算出し、log-rank検定にて有意差検定を行った。CyclinB1陽性群では有意にリンパ節転移をおこすことがわかった。PCNAでは有意差はみられなかったが、陽性群では陰性群に比べてリンパ節後発転移を引き起こす傾向にあった。CyclinB1とPCNAが共に陽性の群では、CyclinB1のみが陽性の群よりも、リンパ節後発転移を引き起こすことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
早期舌癌の患者60人に対して、cyclinB1の解析を終了し、リンパ節後発転移に対しての予測ができる可能性を示すことができた。研究としては、概ね順調に進行している。この他の現状では途中経過であり、より症例数を増やして検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
Suraminが口腔がん細胞に対して、作用するmRNAは他にもたくさんあり、現在それらの検討をし、よりよいリンパ節後発転移に対するバイオマーカーを検索する予定である
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