2023 Fiscal Year Research-status Report
Identifying new factor(s) inducing/repressing metastasis responds to the acidic extracellular pH
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22K09929
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
加藤 靖正 奥羽大学, 歯学部, 教授 (50214408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 豊信 奥羽大学, 歯学部, 教授 (10382756)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 酸性細胞外pH |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍組織内の細胞外pHは酸性を示すことは古くから知られている。私達は、これまでに高転移性マウス B16-BL6メラノーマにおいてMMP9の発現がpH 5.9 で強く誘導されることを見出し、その詳細について報告してきた。昨年度、B16-BL6細胞における酸性pHにより発現が変動する遺伝子を酸性pH誘導型、抑制さ れる遺伝子を酸性pH抑制型遺伝子とし、これらの遺伝子について、ヒト腫瘍における生存期間について検討した。発現誘導と一致した動態を示す場合をヒット数としてカウントした。酸性pH誘導型遺伝子、酸性pH抑制型遺伝子それぞれにおいて、ヒット数上位の遺伝子のうち酸性pH誘導型遺伝子としてSP100、酸性pH抑制型遺伝子としてSLC18A1について注目し、8種類の細胞株(メラノーマ(A2058, A375C5)、頭頚部扁平上皮癌(HSC3, HSC4, SAS)、肺癌 (A549, H1299, HT1080))で検証実験を行った。SP100は現在までに6つのスプライシングバリアントが確認されているため、それぞれの発現における酸性の影響を調べたところ、バリアント2の遺伝子発現レベルが最も高く、次いでバリアント1の発現が高かった。それ以外のバリアントの発現レベルは約1/10000だった。A357C5、SAS、H1299、HT1080で、酸性pHによりバリアント2の発現が上昇した。酸性pH抑制型遺伝子として分類されたSLC18A1遺伝子は、2種類のメラノーマのみで発現しており、期待に反して酸性pHに反応して発現誘導された。今後、これらの遺伝子発現と酸性pHによる誘導のメカニズムについて細胞レベルで検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
候補遺伝子として、B16-BL6メラノーマでの発現変動値が高いもののうち、ヒトのホモログの発現と生存期間が相関するものをヒット数としてカウントした結果、各臓器の腫瘍を酸性pH依存性の観点から分類できるという内容の論文を投稿することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
候補遺伝子として、B16-BL6メラノーマでの発現変動値が高いもののうち、ヒトでのホモログの発現と生存期間が相関するものについて、細胞株を用いて検証する。
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Causes of Carryover |
Bioinformatics解析について2024年初頭を目指していたが、Frontiers in Oncology誌の特別コレクション「The Impact of Alkalizing the Acidic Tumor Microenvironment to Improve Efficacy of Cancer Treatment - Volume II」への投稿の誘いがあり、投稿に必要なBioinformatics解析を優先した。そのためin vitro解析の開始が遅れたために、物品購入が次年度扱いとなった。研究の遅れというよりはむしろ投稿時期の繰り上げによる予定変更のためである。
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Research Products
(9 results)