2022 Fiscal Year Research-status Report
Augumentation of virulence by interaction between periodontopathic bacteia
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22K09930
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
石原 和幸 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00212910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 有一郎 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30410418)
国分 栄仁 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (70453785)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | dysbiosis / periodontitis / synergy / polymicrobioal infection |
Outline of Annual Research Achievements |
Fusobacterium nucleatumは、early colonizerとlate colonizerの間のbridgeとして働きbiofilm形成に重要な役割を果たしている。Porphyromonas gingivalisは、歯周炎の発症を導くdysbiosisの誘導に重要な役割を果たしている。この2菌種の相互作用については、F. nucleatumがP. gingivalisに及ぼす影響についての解析が殆どであり、その逆についての解析は少ない。我々は、dysbiosisが引き起こされるメカニズムを解明する目的で、この2菌種において、P. gingivalisがF. nucleatumに及ぼす影響について解析を行った。実験においては、これらの2菌種を、0.4 μmのフィルターで直接接触しない状態で共培養を行い、その条件下でF. nucleatumの遺伝子発現の変化をRNA-seqにより解析し、F. nulceatumの単独培養のものと比較を行った。F. nucleatumは、共培養によって、P. gingivalisとの共凝集や赤血球凝集能に関わるfap2の発現が上昇していた。またontology解析では多糖体の合成経路の発現上昇が認められていた。これらの変化は、P. gingivalisの可溶性画分を感知し、共凝集活性を高めると同時に多糖体合成によってバイオフィルムの形成を促進するための応答と考えられた。またontology解析では、プリン、ピリミジンのde novo合成に関わる遺伝子群の発現減少が認められた。本菌はglutamineからエネルギー産生を主に行っており、エネルギー代謝と、プリンピリミジンの合成のsouceとなるglutamineの利用を、エネルギー代謝にシフトさせるための応答と考えられ、P. gingivalisとの共生によるバイオフィルム形成のための代謝のシフトと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前から、dysbiosisに関わると考えられているP. gingivalisとbiofilm形成のkeyとなっている事が知られているが、主にF. nuicleatumのP. gingivalisの作用であった。今回、これに加えてP. gingivalisがF. nucleatumに作用し、バイオフィルム形成促進等の作用が誘導されることを明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
歯周炎病巣から検出される菌種のmicrobiome解析をベースに考えられる菌種の組み合わせを増やし、実際のdental plaque の中で起こっている相互作用のうちdysbiosisに関わるものの解明を試みる。
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