2022 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム編集を利用した膜結合型および遊離型TREM2の骨免疫学的機能の解析
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22K09948
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
坂東 健二郎 明海大学, 歯学部, 教授 (50347093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 正勝 明海大学, 歯学部, 講師 (10311614)
友村 明人 明海大学, 歯学部, 名誉教授 (60188810)
藤本 健吾 明海大学, 歯学部, 講師 (90286013)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | TREM2 / sTREM2 / マクロファージ / LPS / CXCL10 / CXCL11 |
Outline of Annual Research Achievements |
マクロファージをLPSで刺激した際の応答についてTREM2が関与しているかどうかを確認するため、マウスマクロファージ細胞株RAW264.7細胞のTREM2をsiRNAによりノックダウンし、LPS刺激後2時間後のおよそ30種類のケモカインの遺伝子発現を確認した。すると、Ccl2、Ccl4、Ccl5、Cxcl10、Cxcl11の発現がTrem2遺伝子ノックダウンにより、抑制された。この結果から、これらのケモカイン遺伝子のLPSによる誘導にはTREM2が関与していると考えられる。 次に、細胞膜上に発現しているTREM2と培地中に遊離しているsoluble TREM2 (sTREM2)をフローサイトメトリーとELISAによって解析したところ、マクロファージの細胞膜上にあるTREM2は恒常的に培地中に遊離しており、24時間で約4 ng/mLに達していた。また、RAW264.7細胞をLPS刺激すると、細胞膜上のTREM2は急速に減少し、培地中に遊離することも判明した。これらの結果から、培地中に遊離したsTREM2もマクロファージのLPSによるケモカイン誘導に関わっているのではないかと考えた。 RAW264.7細胞のTrem2遺伝子をsiRNAでノックダウンし、LPS刺激時にrecombinant sTREM2 (rsTREM2)を培地に添加したところ、Ccl2、Ccl4、Ccl5の発現はrsTREM2に影響を受けなかったが、Trem2のノックダウンで抑制されたCxcl10とCxcl11の発現はrsTREM2添加により一部、回復した。 これらの結果は、マクロファージのLPS刺激時に、一部のケモカインの発現にTREM2が関与しており、Cxcl10とCxcl11の発現については遊離型のsTREM2を介していることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
siRNAを使った実験で、マクロファージが恒常的に遊離しているsTREM2が一部のケモカインの発現を仲介していることを示唆する結果が得られた。また、CRISPR/Cas9システムを使い、RAW264.7細胞のTrem2 KO細胞やTREM2 バリアント発現細胞のクローニングを進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度からクローニングを進めている TREM2 バリアント発現細胞(一部または全部)を LPS により刺激し、発現が誘導される遺伝子が TREM2 の有無に影響されるかを網羅的に検討を行う。とくに、前年度のsiRNAを使った実験で発現に差があった遺伝子を中心にリアルタイム PCR 法などで確認し、タンパク質の発現をウエスタンブロット法や ELISA 法、Flow cytometry で確認する。また、Trem2 遺伝子の変異による影響を受ける遺伝子群に共通の細胞内シグナル経路を検索し、その経路のシグナル分子の活性化をウエスタンブロット法などで確認する。また、前年度に作成した Trem2 KO RAW264.7 細胞に TREM2 と sTREM2の Dox (Doxycycline) inducible 発現ベクターを導入する事で、TREM2 と sTREM2 の発現を on/off できる細胞を作成する。
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Causes of Carryover |
当該年度からクローニングを行っているTREM2 バリアント発現細胞を使い、RNAシークエンシングの受託解析を計画していたため、ある程度のまとまった金額を備えておく必要があった。しかし、当初の予定よりもサンプル数が増加したこともあり、解析の発注に必要な研究費の残額が不足したため、年度内の発注を見送った。また、試薬や抗体、ELISAキットなどは国内に在庫がない場合が多く、その場合、海外からの取り寄せになるが、世界情勢の影響で納期の遅延が頻発しており、年度末までに納品されない可能性があったことから、当該年度内の全額の支出を断念し、次年度に使用することにした。 円安や燃料費高騰の影響で試薬類の価格の値上がりが相次いだため、当初の計画よりもサンプル数を絞って研究を行う必要があったが、当該年度の残額を次年度に使用することにより、必要なサンプル数を維持して研究を進めることを計画している。また、納期の遅延に備え、試薬類の発注は計画よりも早めに行うことを心がける。
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Research Products
(2 results)