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2022 Fiscal Year Research-status Report

メンブレンベジクルを利用した多機能性ワクチンプラットフォームの開発

Research Project

Project/Area Number 22K09950
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

瀧澤 智美 (橋爪智美)  日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50419785)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 泉福 英信  日本大学, 松戸歯学部, 教授 (20250186)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords粘膜ワクチン / Staphyrococcus aureus / membrane vesicles
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、気道粘膜を介して進入してくる様々な病原体に対する防御手段の構築を目的とし、効果的で安全な粘膜ワクチンのプラットフォームについての研究を行う。
モデル抗原として呼吸器感染症の起因となる黄色ブドウ球菌が産生分泌するメンブレンベジクルを用い、アジュバント候補としてハイドロキシアパタイトを用い、新規粘膜ワクチンプラットフォームの確立を目指す。
本年度ではまず、モデル抗原として用いる黄色ブドウ球菌が分泌するメンブレンベジクを大量に精製するため、精製方法についての検討を行った。黄色ブドウ球菌を小試験管で前培養し、次の日にスケールアップして好気的に培養を行った。細菌は死滅とともにメンブレンベジクルを放出することが知られているため、後期対数増殖期まで培養し培養液の濁度を測定した。しかし、吸光度が期待通り上がらなかった。培養上清を回収し、それを超遠心にかけ沈殿物(ベジクルが含まれる)を回収し、タンパク質定量を行った所、回収されたタンパク質量は少なかった。
従って、ベジクルの回収量を増やすため、培地の種類をLB培地とBHI培地で比較し、さらに好気条件下で振とう培養を行った。その結果、LB培地BHI培地とも濁度が増加し、超遠心後に回収された沈殿物のタンパク質量も増加した。LB培地の方がメンブレンベジクルの回収量が高かったため、LB培地で振とう培養することとした。
SDS電気泳動により超遠心により回収された沈殿物に含まれるタンパク質について分析したところ、複数種類のバンドが検出された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

モデル抗原として使用するメンブレンベジクルの精製、回収が計画通り進まなかった。そのため、実際にマウスに経鼻免疫し誘導される抗原特異的免疫応答について解析することができなかったため。
超遠心による黄色ブドウ球菌が分泌するメンブレンベジクルの回収量が少なく、回収量を高めるために培地の検討や培養方法の検討を行う必要が発生した。また、一回の精製で回収できるメンブレンベジクルの量が少ないため、精製を何回か繰り返す必要があった。
そのため、精製したメンブレンベジクルについてウエスタンブロッティングを行い抗原性を確認することや、電子顕微鏡でメンブレンベジクルの構造を観察するといった評価が実施できなかった。さらに、マウスにメンブレンベジクルとアジュバント剤を経鼻免疫し、血中や唾液中に誘導されるメンブレンベジクル特異的抗体応答の解析を行うことができなかった。免疫マウスのリンパ組織から単核細胞を分離し、抗原特異的IgA、IgG抗体産生細胞について解析することができなかった。

Strategy for Future Research Activity

今後は、本年度で決定した培養条件(LB培地を用い、好気的に振とう培養する)により黄色ブドウ球菌が分泌するメンブレンベジクルの精製を繰り返し行い、SDS電気泳動やウェスタンブロッティングにより抗原性の確認や、電子顕微鏡による粒子の形や直径の確認を行い、精製標品の評価を行う。タンパク質の定量を行いマウスに免疫するのに十分な量のメンブレンベジクルを確保する。
その後、メンブレンベジクルとアジュバント剤、それぞれの接種量を様々に変えて組み合わせて、マウスに経鼻免疫し、血中、唾液中に誘導される抗原特異的抗体応答について解析する。全身免疫応答、粘膜免疫応答、両方とも最も効果的に誘導できる濃度の組み合わせを明らかにする。
その後、ベジクルとアジュバント剤の経鼻免疫により誘導される抗原特異的免疫応答の特徴について解析を加える。脾臓、頚部リンパ節に誘導されるサイトカインの産生状況などの解析を行う。また、血中に誘導されたIgG抗体をproteinGカラムにより精製し、黄色ブドウ球菌によるバイオフィルムの形成をIgG抗体で抑制できるかどうか分析する。経鼻ワクチンとしての評価を行っていく。
さらに、本経鼻ワクチンの安全性について検討する。経鼻免疫したマウスの鼻腔組織、脳、嗅神経を採取し、各組織の炎症関連因子の遺伝子発現について解析し炎症の起因となるか解析する。

Causes of Carryover

黄色ブドウ球菌のアルファー毒素抗体を購入する予定であった。2022年8月に発注依頼をしたが、原材料の調達ができないため納期未定の状態が続いた。最終的に、3月の納入期限に間に合わなかったため、本年度では本酵素の発注を一度キャンセルした。そのため次年度使用額が生じた。
次年度に購入し、黄色ブドウ球菌からメンブレンベジクルを精製した際に、本酵素を用いてウェスタンブロッティングを行い、精製標品の評価を行う予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Eggshell-derived hydroxyapatite enhance mucosal immunity to <i>Streptococcus mutans</i> vesicles2022

    • Author(s)
      Tomomi Hashizume-Takizawa, Chihiro Mochizuki, Yuki Sakai, Koichi Nakamura, Hidenobu Senpuku
    • Organizer
      2022 IADR/APR General Session & Exhibition
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Effect of eggshell-derived hydroxyapatites on enhancement of mucosal immunity2022

    • Author(s)
      Tomomi Hashizume-Takizawa, Chihiro Mochizuki, Masanori Saito, Noriko Shinozaki-Kuwahara, Ruoki Kobayashi, Hidenobu Senpuku
    • Organizer
      第64回歯科基礎医学会学術大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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